米Oculusは7月27日(現地時間)、スタンドアローンで動作するVRヘッドセット「Oculus Quest 2」に、シリコン製のフェイスカバー(Quest 2 Silicone Cover)を無償提供するプログラムを発表した。フェイスクッション(取り外し可能なフォーム成型の接顔部)に対して、ごく一部のユーザーからアレルギーに似た反応が報告されたため。それに伴ってQuest 2の販売を一時的に中止、8月24日に128GBモデルと256GBモデルという新しいラインナップで販売を再開する。
同社によると、ごく一部のQuest 2ユーザーからフェイスクッションが接する部分の肌のトラブルが報告され、昨年12月に調査を開始。製造プロセスに問題はなく、皮膚の炎症を起こすような有害物質も確認されなかった。調査を依頼した皮膚科医やトキシコロジストからの問題の指摘もなく、Quest 2のトラブルは安全が確認されている食品や日用品でも完全に防ぐことはできないアレルギーの発生率に近いという結果を得た。米CPSC(Consumer Product Safety Commission)が公開しているデータによると、米国での自主交換の対象は約400万ユニット。肌に関する5,716件の報告があり、そのうち医師の診察が必要だったのは45件だった。
Oculusは製品の安全性を可能な限り高めるために、対策としてシリコン製のフェイスカバーを用意し、ユーザーに無料提供する。対象は、全てのQuest 2およびアクセサリの「Quest 2フィットパック」。Oculusのサイトでユーザーアカウントにサインインし、「My Devices」のQuest 2の項目から申し込む。
フェイスカバーはフェイスクッションにかぶせるように装着。素材に医療品質のシリコンを採用しており、取り外して水洗いしやすく、清潔に使用できる。OculusはQuest 2のユーザーに対し、接顔部の肌に刺激や何かしらのトラブルを感じたことがある場合、直ちに使用を止めてシリコンカバーを入手するように呼びかけている。
8月24日に販売を再開するQuest 2にはシリコンカバーが付属し、64GBだった内蔵ストレージの小さいモデルが128GBになる。価格はこれまでと同じ299USドル。