IDC Japanは6月8日、国内のIoTインフラ市場に関する予測を発表した。同社は、2021年の国内IoTインフラ市場の支出額は前年比22.5%増の1285億円になると見込んでいる。また、2020年から2025年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は17.1%、2025年の支出額は2312億円になると予測した。

  • 2021年から2025年国内IoTインフラ市場支出額予測 資料:IDC Japan

IDCはIoTの基本アーキテクチャとして「IoTの3層モデル」を定義している。この定義に基づき、同社は2021年の国内IoTコアインフラ市場の支出額は前年比15.6%増の783億円、2020年から2025年のCAGRは13.0%、2025年の支出額は1250億円になると予測した。

  • 「IoTの3層モデル」 資料:IDC Japan

一方で、2021年の国内IoTエッジインフラ市場の支出額は前年比35.2%増の501億円、2020年から2025年のCAGRは23.4%、2025年の支出額は1061億円になると予測。

IoTの普及と共に、データ分析処理速度やセキュリティの観点からIoTエッジインフラでのデータ分析処理を志向する企業が増えている。これに伴い、同社はIoTエッジインフラにおいてAI技術を利用した高度なデータ分析処理に対するニーズが高まり、画像データやシステムログ(稼働状況データ)など分析データも多種多様になってくることから、データ分析処理が多様化しIoTエッジインフラ市場は高成長するとみている。

国内IoTエッジインフラ市場のうちComputeサブセグメント市場については、汎用サーバとIoTエッジ専用製品に分けて市場予測を行った。これによると2021年の汎用サーバの支出額は前年比15.8%増の78億円、2020年から2025年のCAGRは9.4%、2025年の支出額は106億円になると予測した。

一方、IoTエッジ専用製品の支出額は前年比47.3%増の137億円、2020年から2025年のCAGRは34.0%、2025年の支出額は401億円になると予測。データ分析処理が多様化するにつれ、データ発生源により近い場所にIoTエッジインフラを設置するケースが増えてくる前提に基づき、同社は汎用サーバよりもIoTエッジ専用製品の成長率を高く見ているとのこと。