IDC Japanは6月7日、2019年の調査実績をもとに2021年~2025年の国内クライアント仮想化関連市場規模について予測を行い、その結果を発表した。

  • (参考資料)国内クライアント仮想化ソリューション市場 COVID-19 シナリオ(Baseline/Optimistic/Pessimistic)別売上額予測/前年比成長率、2020年~2025年

    (参考資料)国内クライアント仮想化ソリューション市場 COVID-19 シナリオ(Baseline/Optimistic/Pessimistic)別売上額予測/前年比成長率、2020年~2025年

今回の予測では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大により、経済、社会、ICT市場全体が影響を受けると考え、Baseline(基本シナリオ)、Optimistic(楽観シナリオ)、Pessimistic(悲観シナリオ)の3つの予測シナリオを作成している。

国内クライアント仮想化市場のうちクライアント仮想化ソリューション市場は、Baseline(基本シナリオ)では、2021年はプラス成長(4.9%)となり、2022年以降もリモートワーク/在宅勤務の拡大および定着化によって堅調に推移。COVID-19の感染拡大前の2019年水準に戻るのは、国内経済/ICT市場の回復よりも半年から1年早い2022年以降とみている。

Optimistic(楽観シナリオ)では、2021年に8.1%成長と回復し、経済やICT市場全体が正常化して同年には2019年の水準まで戻るとする。その後はリモートワーク/在宅勤務の大幅な利用者数/企業数の増加が見込まれ、市場全体も成長が継続されるという。

Pessimistic(悲観シナリオ)では、2023年までマイナス成長となり、プラス成長に転じるのは2024年以降だとする。世界/国内経済が共に停滞し、社会そのものの在り方が大きく変容し、クライアント仮想化市場全体もその影響を受けると考えられるということだ。

2021年はGDPおよびIT投資が共に前年比プラス成長に転じるため、クライアント仮想化市場も投資と需要が復調し、特に在宅勤務/リモートワーク環境を整備するため、クライアント仮想化ソリューション全般の需要が拡大するとIDCではみている。

また、クライアント仮想化技術の進化とユースケースの拡大に伴い、ITインフラリソースの効率化、動的運用、最適化、自動化という要素を取り込みながら、持続性/柔軟性を取り込んだハイブリッドソリューションへ進化するという。

COVID-19収束後も、国内企業において在宅勤務/リモートワークのメリットが認められ、自宅がより快適に働ける環境へと整備され、郊外/地域などへ移住するケースもみられるという。オフィスは縮小/最適化され、総じて在宅勤務の割合が増加し、根本的に働き方が変革されるのに伴い、情報漏洩対策を確保し安全安心なエンドポイント環境を提供するクライアント仮想化の需要が高まるとしている。