ダイソンは5月26日、コードレススティック掃除機の新製品を発表しました。「Dyson V12 Detect Slim Fluffy」、「Dyson V12 Detect Slim Total Clean」、「Dyson V15 Detect」の3モデルです。

各モデルとも微細なゴミを可視化するレーザー技術や、吸引したゴミを大きさごとにリアルタイムで液晶表示する機能を搭載。付属品として新開発の「毛絡み防止スクリューツール」を同梱します。もちろん、従来製品と比べて吸引力もパワーアップ。公式オンラインストアでの価格は、V12 Detect Slim Fluffyが86,900円、V12 Detect Slim Total Cleanが97,900円、Dyson V15 Detectが108,900円です。

  • Dyson V12 Detect Slim

    今回の発表で一番注目されていたのはV12 Detect Slim。重さ2.2kgというのは、ダイソンのハイパワー掃除機としては比較的軽量なスリムタイプ

  • ダイソンのコードレス掃除機ライナップのなかで、最高の吸引力を誇るV15 Detect

新モデル群によってダイソンのラインナップが一新!

V12 Detect Slim FluffyとDyson V12 Detect Slim Total Cleanは、本体は同じ製品ですが、同梱アクセサリーの数が異なります。両製品とも毛絡み防止スクリューツールのほか、隙間ノズルとコンビネーションノズルを付属。Total Cleanモデルのみ、さらに布団ツールと延長ホース、ダイレクトドライブクリーナーヘッドが付属します。

※:2021年6月1日:「Dyson V12 Detect Slim Total Clean」の付属品として「ダイレクトドライブクリーナーヘッド」を追記しました。

今回は3モデルが発表されましたが、掃除機本体としては「V12 Detect Slim」と「V15 Detect」の2つが新モデルとなります。

V15 Detectは、ダイソンのコードレス掃除機としてもっとも吸引力が高く、多機能・高性能なフラッグシップモデル。これまで一番パワフルだったのは「Dyson V11」シリーズでしたが、V15 DetectはV11シリーズの後継となります。

V12 Detect Slimは、軽量・多機能でバランスのよいモデル「Dyson Digital Slim」と、フラッグシップモデルの中間に位置する製品。軽さを求めつつも、新たな「ゴミを可視化する技術」といった最新技術も欲しいという人に向けた製品です。

  • 今回の新製品でダイソンの掃除機ラインナップがガラリと変化。フラッグシップモデルは「V15 Detect」へと切り替わり、その下に多機能でも軽量なV12 Detect Slimが追加されました

緑のレーザーを照射、見えない微細なゴミまで可視化

新製品の機能で注目したいのが、新しく開発された「Laser Slim Fluffy クリーナーヘッド」の存在です。ヘッド前方を緑色のレーザーで照射することで、これまでなら見えなかった細かなゴミまで可視化するというもの。「掃除したつもり」で見逃していた、肉眼では見えない微細なゴミまで掃除できるようになるそうです。

  • 一見するときれいに見えていた床も、レーザーを当てると微細なゴミが

ちなみに、2021年3月に日立が緑色のLED光で床のゴミを照らす掃除機「パワかるスティック PV-BL30H」を発表しましたが、ダイソンはLEDのかわりにレーザー光を採用。発表会で新製品の説明をしたDyson Country Quality Leadのジェームズ・シェール氏によると、LEDはゴミとともに床面も明るく照らすのに対し、レーザーはゴミだけ浮かび上がるように床面を照らせるといいます。

  • 「ゴミが効果的に浮かび上がるように、最適なレーザーの照射範囲や角度を決めるのに試行錯誤した」(Dyson Country Quality Lead ジェームズ・シェール氏)

大きさ別にゴミ捕集量をグラフ化

もうひとつ注目したい新技術が、1秒間に最大15,000回も粒子(ゴミ)を計測し、ゴミをリアルタイムで検知するピエゾセンサーの搭載です。ホコリをセンシングする機能は他社製品にもありますが、ダイソンのピエゾセンサーはゴミの量とサイズまで計測するのが特徴的。

なんと、10μm、60μm、180μm、500μmと、粒子のサイズごとにリアルタイムでグラフ化し、手元の液晶画面に表示します。ダイソンによると、10μmは花粉などの微粒子サイズ、60μmは微細なホコリのサイズ、180μmはダニの死骸などのサイズで、500μmは砂糖の粒ほど。

  • 本体背面にある液晶ディスプレイに、サイズごとのゴミ吸引量をリアルタイムで表示。バッテリーの持続時間も同時に表示しています

吸引モードを「オートモード」にすると、ゴミの量が多い場合は吸引パワーを自動的にアップ。吸引するホコリの量が通常レベルに戻ると、吸引力も下げてバッテリー持続時間を節約します。

髪が絡まない毛絡み防止ツールを付属

V12 Detect SlimとV15 Detectはともに、付属ツールとしてこれも新開発の「毛絡み防止スクリューツール」を同梱します。毛絡み防止スクリューツールは、コンパクトサイズのブラシ内蔵ヘッド。従来モデルでは、コンパクトサイズのブラシ内蔵ヘッドとして「ミニモーターヘッド」が付属していましたが、毛絡み防止スクリューツールはこのミニモーターヘッドの進化版となります。名前の通り、長い髪の毛を吸い取っても絡まらないヘッドです。

  • 片側が小さい円錐型のブラシ。アルキメディアン・スクリュー原理によって、絡まった髪の毛を自動的にブラシの端まで移動させて吸引します

V12 Detect SlimとV15 Detectの違いは?

V12 Detect SlimとV15 Detectは、ゴミを可視化するLaser Slim Fluffy クリーナーヘッドを搭載。また、ゴミを大きさ別にリアルタイム検知するピエゾセンサー、ゴミの量にあわせて吸引力を制御するオートモード、髪の毛が絡まない毛絡み防止スクリューツールにも対応しています。両製品の違いは何でしょう?

もっとも大きな違いは吸引力。V15 Detectはダイソンのフラッグシップモデルだけあり、ダイソンのコードレス掃除機で最大の吸引力を誇ります。ダイソンの人気コードレス掃除機「Dyson Digital Slim」と比較すると、なんと約130%増という吸引力です。V12 Detect Slimもスリムタイプながら「Dyson Digital Slim」と比較すると、約50%増の吸引力があります。

違いはサイズや重さにもあります。V15 Detectは最上位機種だけに本体形状は大きめで、サイズはW250×D1086×H250mm、重さは2.61kgになります。一方、スリムタイプのV12 Detect SlimはサイズがW250×D1095×H234mm、重さ2.2kgです(いずれもLaser Slim Fluffy クリーナーヘッド装着時)。

V15 Detectは大きい分、吸引力だけでなくバッテリー持続時間もパワフル(エコモードで最大60分駆動)。V12 Detect Slimはエコモードで最大約50分の駆動です。モーターを内蔵しないヘッドを取り付けた場合は、両者ともエコモードで最大60分となります。また、ダイソンの掃除機は「トリガーを引いている間だけ運転」するスイッチも特徴的ですが、新製品はV15 Detectのみトリガー式。V12 Detect Slimはボタン式のスイッチを採用しています。

  • ダイソンらしいトリガー式のスイッチを採用したV15 Detect

  • V12 Detect Slimは大きなボタン式のスイッチ