パナソニックは、組織やグループの感染症クラスター発生防止につなげるために開発したiOS/Android向けアプリ「OND'U(オンド・ユー)」について、一般向けのトライアル版を提供している。利用料は無料。

  • OND'U ロゴマーク

    OND'U ロゴマーク

日々の検温や体調の記録を、グループ単位で行う健康管理アプリ。パナソニック社内での実証実験で一定の効果が認められたことから、トライアル版として無償提供を開始した。さまざまな業種の職場、教育現場(保育、学校、学童、部活、塾など)、高齢者施設、スポーツ大会やその他イベントでの利用を想定している。

日々の検温結果だけでなく、風邪や感染症に見られる症状も手軽に登録。発熱(37.5℃~)の記録があったときには問診票を自動で表示し、行動履歴の記録も行える。また、体調の入力とあわせてメッセージ欄を設けることで、グループ内のコミュニケーションを活性化させるとしている。

  • メンバーが自身の体調をアプリ経由で自己申告

    メンバーが自身の体調をアプリ経由で自己申告

1つのグループで最大100名のまでの管理に対応。クラブ活動のクラス単位や組織の課や係など、グループ分けも可能だ。

管理者以外のメンバーには、体温の数値ではなく信号機のカラーを表示することでプライバシーに配慮した。グラフ表示でメンバーの体調変化を確認でき、症状の記録もマークで表示されるため、管理者は日常的に不調の訴えのある人の発見や体調面を考慮したメンバーのマネジメントの参考にできる。

  • OND'U 管理者画面

    OND'U 管理者画面

開発の背景には、企業や学校、高齢者施設など集団生活の場ではすでにグループ単位の体調管理が行われている一方で、手書きでの記録が多くデータ参照の手間がかかる、管理者がメンバーの体調変化に気が付かなかった結果クラスターが発生したなどの問題があったとのこと。そのため、発熱者や症状登録者は上位に表示するなど、体調不良者の見落としを防止する設計となっている。

なお、2021年4月2日時点ではOND'U公式Webサイトの料金の項目に「全機能を無料開放中」と表記されている。このため、アプリが製品版になるにあたって、価格が変更される可能性はある。