中国OPPOがハイエンドスマートフォン「OPPO Find X3 Pro」をグローバル発表しました。10bit(約10億色)の色再現というカメラとディスプレイを搭載し、豊かな色表現が可能な点をアピールしています。

欧州では3月30日の発売。日本ではKDDIが6月下旬以降に発売します。国内通信事業者では、auだけの取り扱い予定とのことです。ここではグローバル発表会の様子からお伝えします。

  • OPPO Find X3 Pro

Find X3 Proは、6.7インチAMOLED(有機EL)ディスプレイを搭載したOPPOのフラッグシップスマートフォン。ディスプレイの解像度は3,216×1,440ドット(QHD+)で、リフレッシュレートは最大120Hz、タッチサンプリングレートは最大240Hzと、ゲームにも適した高速動作のディスプレイを採用しています。本体サイズは高さ163.6×幅74×厚さ8.26mm、約193gです。

  • 宇宙船をイメージしたという独特の外観

  • スリムで軽量という点もアピール

  • 独特の曲面を描くために、2,000以上のポイントで形状を形作ったそうです

  • 背面のガラスは85%の不透明度でシルキーな外観を実現したとしており、指紋が付きにくいそうです

大きなウリは色再現性の高さ。色域はビビッドモードだとNTSCで97%、DCI-P3で100%をカバー。ジェントルモードではNTSC 71%、sRGB 100%、シネマティックモードではNTSCが97%、DCI-P3は100%、ブリリアントモードだとNTSC 104%、DCI-P3で100%というカバー率になっています。色深度は10bit(10億7374万色)で、色の精度を示すJNCDは約0.4とされています。

  • ディスプレイのスペック

ディスプレイの機能ではさらに、O1 Ultra Vision Engineを搭載しており、撮影した映像のHDR化や高解像度化を実現。O-Sync Display Hyper Response Engineでは、ゲームプレイ時に画面タッチとCPUを同期させることで、ラグのないレスポンスを可能にしています。反応時間は30~40msを5~10msまで削減するそうです。8,192段階という細かい明るさの調整によって、環境光に合わせて目を保護する明るさと色温度にしてくれる機能も備えています。

本体デザインは特徴的です。全体的にフラットで一体感があり、カメラ部の出っ張りも背面と一体化してなだらかに盛り上がるような形。金属質で「宇宙船に触発されたデザイン」としています。

そのカメラも強力。50MP(5,000万画素)の超広角カメラは、センサーに1/1.56インチのソニー製IMX766を採用。画角は110.3度、F値はF2.2で、PDAFに対応しています。メインの広角カメラも50MPのIMX766で、F値はF1.8、OIS、PDAFも搭載します。3つ目は3MP(300万画素)のマイクロレンズカメラで、F値はF3.0。被写体に近寄れるマクロだけでなく、倍率60倍という小型顕微鏡クラスの倍率を持ち、世界初の「携帯内蔵顕微鏡」とうたっています。

  • 超広角と広角の2つのカメラは同じセンサーを搭載。10bitカラーの撮影ができるメインカメラとして位置づけています

  • 10bitによる豊富な色再現

  • AFも高速。ナショナルジオグラフィックのフォトグラファー、Joel Sartore氏は、数々の動物などの写真をFind X3 Proで収めていました

  • Sartore氏によるFind X3 Proの作品

望遠カメラは13MP(1,300万画素)で、F値はF2.4、5倍のハイブリッド光学ズームを搭載しています。

超広角と広角で同じセンサーを搭載しているため、どちらもメインカメラとして写真を楽しめそうです。マイクロレンズも効果的で、世界を気軽に拡大して見られる顕微鏡機能は、とても面白そうです。

  • マイクロカメラは60倍の顕微鏡として利用可能。レンズ周囲にリングフラッシュも搭載しているようです

  • 実際の顕微鏡での撮影。上から1倍、30倍、60倍

  • 顕微鏡によって世界の色をさらに深く

カメラに関しても色の表現を繰り返しアピール。被写体をAIが認識して最適な色を再現してくれると紹介。この「AI Scene Enhancement」は10bitカラーをサポートしており、豊かな色彩を表現してくれるそうです。さらに、10bit RAW+に対応。これはHDR記録をしたRAWファイルになっており、より高度な編集にも対応します。

  • 夕焼けを認識して色を補正したところ

  • 4つのカメラを搭載したクアッドカメラ

  • 超広角カメラの一部には自由曲面レンズを採用。これによって色収差やパープルフリンジを抑えます

動画に関しても10bitの色深度を備え、HDRとしてBT.2020、HLGをサポート。また、色覚異常(CVD)の人たちのために色の補正機能を搭載しているのは特徴的でしょう。

  • 動画ではHDR撮影に加えて、AIが自動的にシーンを認識して最適なモードで撮影してくれます

  • 色覚異常向けの色補正機能

幅広い人に対して10億色のカラーを提供することを強くうったえるOPPO。ハイエンドスマートフォンは各社が様々なアピールをしていますが、特に「色」に特化したのが、Find X3 Proの特徴です。マイクロカメラの顕微鏡モードも、色をさらに深く見られる機能ですし、それを再現するディスプレイにも工夫を盛り込んでいます。

ハイエンドにふさわしく、SoCは最新のSnapdragon 888。メモリは12GB、ストレージは256GBで、バッテリーは4,500mAh。独自の急速充電技術SuperVOOC 2.0は、10分で40%の充電が可能。30Wのワイヤレス充電AirVOOCにも対応し、80分で0%から100%まで充電できるとしています。

  • Snapdragon 888を採用。デュアルSIMはグローバル版。au版はシングルSIMになるとのこと

OSはAndroid 11ベースのColorOS 11.2。5GネットワークやWi-Fi6にも対応します。グローバル版はデュアルSIMに対応しますが、au版はシングルSIMモデルになるようです。5GはSub-6のみでミリ波は非対応ですが、フラッグシップスマートフォンでは最多という13バンドをサポートします。NFCは搭載しますが、au版はFeliCaには非対応とのことです。防水防塵性能も備えます。

欧州での発売は3月30日から。価格は1,149ユーロ(約15万円)。日本では、auがキャリアとしては独占販売し、6月下旬以降の発売。発表時点では価格は明らかにされていません。