ビデオリサーチは、東日本大震災から10年を機に、メディア環境や生活者の価値観の変化とライフスタイルへの影響をまとめて発表。災害など有事のテレビへの信頼度が高いことや、スマートフォンの普及で情報収集の自由度が拡がり、価値観が細分化する傾向にあるとの調査結果を公表した。

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    (出典:ビデオリサーチ)

この発表は、ビデオリサーチによるテレビ視聴率調査(関東地区)と、生活者の属性や商品関与、メディア接触など網羅的に調査した「ACR/ex調査」(国内7地区)に基づいたもの。

震災時の「信頼できる情報源」はテレビ。安否確認でSNS活用

東日本大震災が起きた2011年3月11日14時46分、地上波テレビは一斉に地震速報を報道。総世帯視聴率(HUT)は同日15時台で38.8%で、前週平日平均に比べ8ポイント増となり、24時台以降も平常時の倍以上の視聴率を記録した。ビデオリサーチは「時間を問わず、少しでも情報を得ようとテレビ報道に対する注目の高さと、視聴時間帯の推移から深夜に帰宅した帰宅難民の状況が思い出される」とコメントしている。

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    (出典:ビデオリサーチ)

当時、安否確認ツールとして着目されたのが、TwitterやFacebookなどのSNS。さらに、震災をきっかけに「LINE」が2011年6月に誕生し、サービス開始から3年後の2014年の利用率は33.9%、5年後の2016年には49.2%に増加。2020年では約7割(70.7%)の生活者が日々のコミュニケーションツールとして活用しているという。

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    (出典:ビデオリサーチ)

スマホ所有率が急速に増加、情報収集の自由度拡大で「価値観が細分化」

2011年以降、インターネット環境の整備が急速に進み、いわゆる“格安スマホ”が登場した2014年にはスマートフォンの所有率が60.2%まで増加(2011年のスマホ所有率は10.9%)。インターネットで情報収集をする人の割合は2014年には83.2%まで増えたという。なお、2020年のスマホ所有率は93.8%、ネットで情報収集する人の割合は90.7%となっている。

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    (出典:ビデオリサーチ)

個人単位での情報収集環境の自由度が拡がったことが、買物意識に対しても影響をもたらし、「自分なりの考えでものを選ぶ」意識が2013年の49.6%から2014年には67.5%と18ポイント増加。「価値観が細分化している傾向が見受けられる」(ビデオリサーチ)という。

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    (出典:ビデオリサーチ)

コロナ禍のテレビへの信頼度は6割以上。ネットでの情報収集も5割程度に

2020年以降の新型コロナウイルス感染症に関して、情報源としての信頼度は「テレビ」が65.1%と最も高く、次いで「インターネット(ニュース)」が22.9%、「インターネット(SNS)」が6.1%となった。積極的に情報収集する意識は、「テレビ」が64.3%。「インターネット(ニュース)」は46.9%と5割程度になっており、「テレビとインターネットが身近なメディアであることがわかる」(ビデオリサーチ)としている。

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    (出典:ビデオリサーチ)

2020年のインターネット利用状況は、1週間のリーチが85%で、接触時間は週平均で2時間22分。利用が増加しているジャンルは「動画・音楽系」が83.4%、SNSが85.7%、ショッピング系が69.6%で、ビデオリサーチは「(インターネットは)個人の満足度を高めるメディアである傾向が高まっている状況」と分析している。

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    (出典:ビデオリサーチ)