東証の適時開示情報を基に経営権の異動を伴うM&A案件(グループ内再編を除く)について、ストライク(M&A Online)が集計したところ、IT・ソフトウエア業界の2021年1月のM&A発表件数は11件で、1月としては2012年以降の10年間では、2019年(13件)、2020年(同)に次いで3番目となった。

一方、取引金額は約23億円で、1月としては2012年以降の10年間では7番目と低い順位にとどまった。

IT・ソフトウエア業界の事業強化の流れを受け、2018年以来4年連続で発表件数が2ケタとなったものの、10億円を超す案件が一件しかなかったのに加え金額非公表や取引価格0円といった案件が9件を占めたため、金額が膨らまなかった。

全上場企業に義務づけられた東証適時開示情報のうち、経営権の移転を伴うM&A(グループ内再編は除く)について、M&A仲介のストライク(M&A Online)が集計した。

  • IT・ソフトウエア業界 M&Aの推移(上が件数、下が金額)

金額トップはビーネックスグループの13億7500万円

取引金額のトップは製造系・開発系技術者派遣を主力とするビーネックスグループが、システム開発のアロートラストシステムズ(大阪市)を傘下に持つレフトキャピタル(東京都中央区)の全株式を取得し子会社化した案件で、取得価格は13億7500万円。

アロートラストシステムズは通信や金融、流通、製造、旅行、自治体など幅広い業界を顧客とし、各種システムの受託開発実績を持つ。ビーネックスは同社を傘下に収めることで新たな顧客基盤の開拓につなげる。

取引金額の2番目は建設コンサルタント業を手がける土木管理総合試験所が、熱流体解析ソフトウエア開発のアドバンスドナレッジ研究所(東京都新宿区)の全株式を取得し子会社化することを決めた案件で、取得価額は9億3700万円。

建設業界では省エネや快適性の観点から、設計の初期段階から熱流体シミュレーションを活用した建築環境の検討・考察が必須となりつつあるため、同社を子会社化することでコンサルタント事業のサービスメニュー拡充につなげる。

取引金額の3番目はモブキャストホールディングスが、傘下のモブキャストゲームス(東京都港区)が展開するゲームタイトル「キングダム乱-天下統一への道-」(売上高約8億円)を共同開発先の「でらゲー」(東京都渋谷区)に譲渡することを決めた案件で、譲渡価格は0円。対象とするゲームタイトルの損失解消が目的という。