KDDIは12月23日、時間や場所にとらわれず成果を出す働き方の実現に向けた取り組みの一環として、2021年1月以降、本社オフィス(東京飯田橋)の座席を在籍社員数に対して4割削減し、2021年度以降に都内に分散している小規模な事業拠点やグループ会社の一部を本社ビルに集約すると発表した。

同社では2020年6月以降、テレワークの積極的な利用により生まれたオフィス内の余剰スペースの活用を検討してきている。また20年7月には、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大を受け、働く時間や場所にとらわれず成果を出せる柔軟な働き方への変革を目的とした「KDDI新働き方宣言」を発表した。その取り組みと一環として、今回、本社の座席数を4割削減し、全フロアをフリーアドレス化することに加え、空いたスペースに都内に分散している事業拠点やグループ会社の一部を集約することで、オフィススペースの最適化を図る。COVID-19が収束した後も座席数は削減したまま、元に戻さない方針だ。

また、テレワークの長期化によって生じた社員間のコミュニケーションの課題に対応し、テレワークと出社のハイブリッド型のワークプレイスの実現を目的として、オフィスでオンライン会議を行う集中スペース、1on1ミーティングのためのスペース、オンライン配信用のスタジオなどを新たに設置する。

なお、2020年8月に虎ノ門に開設したオフィスでは、先行して在籍社員数に対して座席数を4割削減し、オンライン会議ツールを充実させるなど、場所にとらわれない働き方を実現するオフィス環境を整備しているという。

さらに同社は、テレワーク時のセキュリティ確保と業務効率の向上を目的とし、ゼロトラストのコンセプトに基づいたモバイルPCを2020年11月から全社員約1万2000名に順次提供している。これまでは、社内のパソコンの画面情報を社外のPCに転送する画面転送型シンクライアント方式のリモートアクセスでテレワークを行っていたが、今後は、社外でもセキュリティが強化されたPCでオフィスと同様に業務が行えるようになる。

今後も引き続き、オフィス、IT環境、人事制度などの改革を継続し、ハイブリッドな働き方をスムーズに定着させる方針だ。