Googleは11月17日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の陽性者や死亡者などを予測する「COVID-19 感染予測(日本版)」を公開した。予測開始日から将来28日間の感染状況を予測し、ダッシュボード上に数値を表示。医療機関や公的機関などが、今後の対応のための参考情報のひとつとして利用することを目的に公開する。

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    COVID-19 感染予測(日本版)

COVID-19感染予測(日本版)による、11月15日〜12月12日の28日間の全国の予測値は、陽性者数が53,321、死亡者数が512(各都道府県の予測値を足し合わせたもの)。都道府県別でみると、北海道の陽性者数は16,877、死亡者数116。東京は陽性者数10,164、死亡者数43。大阪は陽性者数7,756、死亡者数64などとなっている。また、都道府県別の入院・療養等患者数(対象期間中の1日あたりの最大予測値)も示している。

これらのデータはGoogle Cloud Platformで提供しているビッグデータ解析プラットフォーム「BigQuery」のほか、CSVファイルとしても提供する。

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    COVID-19 感染予測は日本のデータセット(厚労省のデータやGoogleのコミュニティモビリティレポート、国勢調査結果など)を使って機械学習を行っており、予測結果には日本独自の状況が反映されるという

COVID-19 感染予測は、8月から米国で「COVID-19 Public Forecasts」として開始し、14日間の予測を提供。AIと膨大な疫学的データを組み合わせ、時系列の予測を扱う機械学習のアプローチを採用している。今回公開した日本版では、新たに95%予測区間やデータセットを追加し、予測対象期間を28日間に拡大。また、モデルの強化による予測精度の改善を行ったという。

Googleでは、先行して提供していた米国版モデルを日本に対応させるにあたり、各種調整を行った。まず、感染の態様や広がり方(ダイナミクス)の基本条件はどちらも同一の前提(例えば、感染は離れた場所よりも近隣の地域で広がりやすい等)で開発。その上で、日本版では厚生労働省が発表している各種情報や、Googleのコミュニティモビリティレポート、平成27年国勢調査結果など、日本のデータセットのみを利用して機械学習のトレーニングを行っている。このため、予測結果には日本独自の状況が反映されているとのこと。