ラックは10月27日、自律型デジタルエンタープライズのためのITソリューションを提供する米BMCソフトウェア(BMC)と包括的なパートナー契約を締結し、メインフレームのキャパシティとコストの分析・運用コンサルティングを行う「メインフレームキャパシティ管理サービス」の提供を開始した。

メインフレームは、従来から信頼性、可用性、拡張性、堅牢性などに優れており、クラウドが普及した現在でもクラウド・モバイルへの対応やオープン系処理専用プロセッサの搭載などの変革を経て、現在でも金融機関を中心に社会インフラを支えるシステムに活用されている。しかし、運用においてはコストが問題となっており、ベンダーから提供される情報だけではコストが適切か否かの判断が難しいという課題があるという。

新サービスは、このような課題に対して分析ツールの「BMC AMI Capacity Management」と「BMC AMI Cost Management」を活用し、システムの詳細な稼働状況のデータを収集、分析し、運用コストの中で比重の高いハードウェアやIBMソフトウェアライセンス費の最適化を実現するサービス。

  • サービスの全体図

    サービスの全体図

主な特徴として、システムが記録する各種イベント情報SMF(System Management Facilities)などの情報をもとに、BMC AMI Capacity Managementソリューションを用いてメインフレームのキャパシティやIBMソフトウェアライセンス費の分析、予測、シミュレーションを行い、システム更改時のハードウェアの選定、CPUの個数や区画の割当、将来に向けた改善案の提案を提供する。

分析に使用するツールであるBMC AMI Capacity Managementは、メインフレームのキャパシティの分析・プランニングを行い、SMFやシステム構成情報などをもとにキャパシティの現状把握、n年後のキャパシティ状況予測、システム更改時におけるH/W選定・CPU個数・区画割り振りをはじめとしたシミュレーションを行う。

また、BMC AMI Cost Managementはメインフレームのコストの分析・最適化のシミュレーションし、SMFやシステム構成情報等をもとにコストの現状分析、コスト課題把握、コスト最適化案の策定およびシミュレーションを行い、ソフトウェアライセンス契約やシステムごとコスト平準化の提言を行う。

分析のために収集する情報は、CPUや専用プロセッサのリソース状況、システムのパフォーマンス、筐体間・LPAR間の使用状況バランス、ピーク月日時やピークCPU消費時間帯での稼働JOB/STC特性、ワークロードの構成要素 各プロダクトの使用状況など。

システムの第三者評価、最適化の提案は同社において、BMCのツールによるデータを分析した結果をもとにメインフレーム活用における最適な運用提案を行う。運用提案の内容は次期ハードウェア更改見積もりの前提条件の整理、CPU更改前後でのパフォーマンス比較、チャネルパフォーマンスをはじめとしたシステムのハードウェア全体評価、現状の課金契約に基づくコスト要因分析、ワークロード分散シミュレーションによるコスト圧縮プラン、契約更改を見据えたMSU値削減プランなどとなる。