凸版印刷は10月9日、WEB上で定型文を選択することで連絡内容を多言語で通知する「多言語WEB連絡帳システム」を教育機関向けに開発し、2021年1月から2021年2月末まで実証実験を行うと発表した。同社は、総務省の委託研究「多言語翻訳技術の高度化に関する研究開発」を2020年6月9日より実施している。
同システムは、教育現場において急増する在留外国人児童の保護者と教員のコミュニケーションを支援する多言語連絡支援システム。教員はPC端末やタブレット、スマートフォンのWEBブラウザ利用し、保護者に対し連絡内容を9言語でメール配信することが可能。
9言語(日本語、英語、中国語(簡体字)、ベトナム語、ポルトガル語(ブラジル)、スペイン語、フィリピン語、ネパール語、ウルドゥー語)に対応しており、WEBブラウザにてWEBサイトへアクセスし、IDとパスワードの入力で認証を行うことによりシステムの利用ができる。認証後、教員は送信先・定型文を選択し送信すると、保護者があらかじめ登録した言語で連絡内容を通知することが可能だ。
同社は今後、同実証実験の結果をもとに教育現場における多言語コミュニケーションの支援をはじめ、外国人の受け入れを行うおもてなし事業者や在留外国人の増加が見込まれる自治体・医療機関などの分野に向けサービスの拡充を目指す。また、将来的には本システムにAI翻訳技術を活用し、フリーワードに対応したテキスト翻訳の搭載を予定しているという。