がん治療向けウイルスベース免疫治療の設計開発を手掛けるバイオテクノロジー企業の仏Transgene(トランスジーン)、日本電気(NEC)、生物医学ソフトウェアによりがん患者に最適な精密医療を提案するという米BostonGene Corporation(ボストンジーン)の3社は10月6日、卵巣がん及び頭頸部がんの患者を対象に欧米で行っている個別化治療ワクチンTG4050の第I相臨床試験において、がん患者の遺伝子解析で協業すると発表した。

TG4050は、トランスジーン独自の「myvacプラットフォーム」とNECのAI(人工知能)を使用したネオアンチゲン予測システムから構成で構成しているとのこと。

myvacプラットフォームは、ウイルスゲノムエンジニアリングなどのテクノロジーを用いて、患者ごとに個別化した免疫療法の迅速なモジュール型製造を実現する。

TG4050は、がんワクチン接種のために最適化したウイルスプラットフォームに基づくmyvacプラットフォームと、NECのAI技術を用いて開発した個別化がん治療ワクチン。

同ワクチンは、ネオアンチゲンと呼ばれる腫瘍特異的な抗原変異へのT細胞応答を誘導するために、患者の免疫系を刺激することを目的としている。ネオアンチゲンはゲノム変異に由来しており、がん領域で実績のある高度なAI技術を用いたNECのネオアンチゲン予測システムを使用して選択する。TG4050は、最大30の患者固有のネオアンチゲンを標的とするように設計しているとのこと。

トランスジーンは、このウイルスによる個別化がん免疫療法における初の実証を目的として、2件の第I相臨床試験を行っている。

今回の協業でボストンジーンは、2件の臨床試験に登録した患者から採取した原発腫瘍のゲノム解析と、トランスクリプトーム解析を実施し、TG4050への反応予測因子と、患者に投与したワクチンへの反応を仲介する可能性のあるがん細胞の内因性及び外因性因子の特定を試みる。

同社のプラットフォームは、ゲノム解析とトランスクリプトーム解析を統合して、重大な体細胞変異の特定、遺伝子発現の評価、腫瘍の不均一性の推定及び、微小環境の分類などを行い、腫瘍と微小環境の活動を同時に評価する。

ボストンジーンは、腫瘍の活動、腫瘍細胞の組成、免疫微小環境及びその他の腫瘍関連プロセスの機能を、データに基づき視覚的に把握しやすい概略図として描写した「Tumor Portrait Report」を作成する。また、より詳細な患者の腫瘍における個々の発がん状態と免疫原性の洞察については、包括的なレポートとして提供するとのことだ。