米Googleは9月28日 (現地時間)、Android Developersブログにおいて、Google Playストアのビリングポリシーに関する変更などを発表した。「Fortniteの乱」で論争になっているアプリ内課金の決済システム義務づけについて、ストアルールをより厳格に運用し、ストアにおける公平性を徹底。同社はまた、アプリ開発者やユーザーがGoogle Play以外のストアも選択できるオープン性を、2021年のAndroidのメジャーアップデート「Android 12」で改善する。
今年8月、人気バトルロイヤルゲーム「Fortnite」を開発・提供する米Epic Gamesが、モバイルアプリストアの収益配分モデルや課金システムに異議を唱えてGoogleとAppleに反旗を翻した。Google PlayストアとApp Storeで配信しているモバイル版Fortniteに独自の決済システムを組み込み、GoogleとAppleがそれぞれのストアからFortniteを削除。Fortniteプレイヤーを巻き込んだ大騒動が勃発、争いは法廷闘争に発展している。
Google Playストアでは、配信しているアプリにおけるデジタルグッズのアプリ内購入に同ストアの決済システムの使用を求めている。Google Playストアの決済システムを使用した場合、売上の30%がサービス手数料としてGoogleに徴収される。Epicは、モバイルプラットフォームのアプリストアが支配的な力で30%もの手数料をアプリ開発者に強いていると批判。また、一部のサービスに対しては例外を認める不公平さも指摘していた。
Googleによると、過去12カ月の間にGoogle Playストアにおいてデジタルグッズをアプリ内で販売したアプリは全体の3%以下。その内の97%近くが同ストアの決済システムを利用している。サービス規約に従っていないのはごく一部だが、New York TimesなどによるとNetflixやSpotifyといった人気サービスがアプリ内でPlayストアの決済システムを回避している。そうしたサービス規約に従っていない一部のアプリに対する対策を強化し、全ての開発者に対して公平なルール運用を徹底する。既存のアップデートが必要なアプリに対しては約1年間の猶予期間を設け、2021年9月30日までにPlayストアの決済システムを統合することを求める。
AppleのApp Storeと違ってAndroidではGoogle Play以外のアプリストアがアプリを提供できるが、Playストアに比べて利用体験が悪化し、その利点が活かされていない。EpicはAndroid版のFortniteをまず独自のアプリストアで提供し始めたが、Epicのストアからのアプリを使用する際にAndroidが表示するセキュリティ警告をユーザーが恐れて利用が伸びず、Google Playストアでの配信も開始した。Google Play以外のアプリストアについて公平性を求める開発者の声に対応し、Androidユーザーが安全かつより便利にPlayストア以外のアプリストアを利用できるように、Adnroid 12で他のストアのサポートを改善する。