米Oracleと米Walmartは9月19日 (米国時間)、ショート動画投稿アプリ「TikTok」の米国事業の見直しについて、これまで開発・運営してきた中国のByteDanceと提携し、TikTokの国際事業を分離して米国に新会社を設ける案が米政府から暫定的な承認を得たと発表した。同日にトランプ米大統領もホワイトハウスでの会見において承認したことを認め、それらを受けて米商務省が9月20日に予定していたTikTokの米国でのアプリ配信禁止を27日に延期した。

利用者の情報が中国に渡る可能性がある安全保障上の懸念を理由に、トランプ大統領が8月6日に、中国のByteDance (TikTokを開発)、Tencent (メッセージングアプリ「WeChat」を開発)との取り引きを45日後に禁じる大統領令に署名。9月20日にTikTokとWeChatのアプリ配信を禁止すると米商務省が発表していた。ただし、TikTokについては、事業を米国企業に売却することを認める条件を米政府が示していた。

提携案は、米国および他の大部分のユーザーへのTikTokのサービスを提供する新会社TikTok Globalを米国に新設する。OracleとWalmartが20%を出資。それらを含む米国側の投資が過半を占める。「5人の取締役のうち4人が米国人、米国に本社を置く独立した米国企業になる」(OracleとWalmart)という。TikTok Globalは米国で25,000人以上の雇用を創出し、米国の若者の教育に50億ドル以上を拠出する計画がある。米政府が求めた米国企業への売却ではないが、安全性を確保し、米国経済に貢献する提携案は米国にとって素晴らしいものとトランプ大統領は評価した。

成立には中国政府の承認も必要であり、米政府が暫定承認した案を中国側も認めるかが今後の焦点になる。