米Evernoteは9月16日 (現地時間)、全てを再設計した「Evernote for iOS」をリリースした。アプリのコードベースを一新、クリーンな見た目で操作しやすいインターフェイスにデザインが刷新されている。App Storeから新たに導入または手動アップデートすると最新版がインストールされ、既存ユーザーで自動更新に設定している場合は数週間中にアップデートされる。
2010年代の中頃、Evernoteは上場を目指して新機能を次々と追加する内にサービスが肥大化して使いにくくなるという悪循環に陥り、2019年1月に新CEOの下で「Evernoteの基本に立ち返る」という目標を掲げた。現在のCEOであるIan Small氏はデータ管理のスペシャリストであり、ユーザーの期待に応えるスピード、信頼性、拡張性を実現するために基盤から全ての再設計に着手した。改革前のEvernoteでは、5つの異なるチームがそれぞれに機能セットとデザインを手がける5つの異なるアプリ(Web、Windows、Mac、iOS、Android)が存在。時間の経過と共にアプリ間の違いが深まり、それがクロスプラットフォーム機能の実現やパフォーマンス、安定性の障害になっていた。そこで全てのプラットフォームで共通化する新基盤に取り組み、コードベースから一新された新「Evernote for iOS」はアプリの最初の成果である。
新しいEvernote for iOSはEvernote Webと統一されたデザインで、一貫した操作が可能。今後、Windows版、Mac版、Android版のリリースが続く予定で、共通のデザイン、そしてナビゲーション、検索、ノートエディタなどこれからはどのプラットフォームでも全て同じように機能する。それらの背後にあるシステムやクラウドも刷新されており、サービスの安定性と信頼性が高まり、異なるデバイスやプラットフォーム間でデータがよりスムースに同期される。
新しいEvernote for iOSはモダンなデザインで、テキストだけではなく、画像、音声、スケッチ、リマインダーも容易に追加できる。タグのネスト化に対応。新しいエディタでもセマンテックなヘッダやテーブルを用いて、情報を体系的に整理できる。そうした情報を探す検索機能も強化されており、検索語句の入力時にリアルタイムで検索候補が表示され、タグ、添付ファイル、PDF、URLなどの有無で検索結果を絞り込めるなど、効率的かつ効果的に目的のノートを探し出せる。スキャナ機能がモバイルカメラの情報記録に最適化され、文書、ポスト・イット、ホワイトボード、名刺を自動検知し、それぞれに最適な方法でスキャンして検索可能なテキストとしてノートに保存する。