米YouTubeは9月14日 (現地時間)、スマートフォンを使って最大15秒のショート動画を撮影・編集・投稿できる新サービス「YouTube Shorts」を開始すると発表した。数日以内にインドでAndroidから初期ベータ版をリリースする。さらにiOSにも拡大、他の国・地域でも提供する計画だ。
Shortsは、10代を中心に利用者を増やしている中国ByteDance傘下のショート動画サービス「TikTok」に対抗するサービスと言える。TikTokについては、トランプ米大統領が安全保障と個人情報流出の懸念から米国で利用を禁じる考えを示し、継続の条件として米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどの事業を売却するように求めている。その一方で、Instagramの「Reels」など米企業による類似のサービスが登場している。YouTubeのChris Jaffe氏 (製品マネージメント担当バイスプレジデント)は、YouTubeに最初に投稿された動画「Me at the zoo」が18秒のショート動画だったことを挙げて、「ユーザー生成によるショート動画はYouTubeから誕生した」とYouTube文化であることを強調する。ベータ版を最初に提供するインドは国家安全保障上の問題を理由に、TikTokを含む多くの中国製スマートフォンアプリの利用を禁じている。
Shortsベータ版のツールでは、タイマーやカウントダウンで簡単にハンズフリーの撮影を行え、複数の動画クリップを編集できる。TikTokは音楽と結びついたサービスになっているが、Shortsも豊富な音楽ライブラリを録音に利用できるオプションを用意している。パフォーマンスに応じてスピードを柔軟に調整することも可能。作成したショート動画は、Shortsツールから簡単にYouTubeにアップロードできる。「クリエイターはYouTube上で全てのビジネスを構築できます。YouTubeとShortsが次世代のモバイルクリエイターを生み出し、コミュニティが成長することを目指します」とJaffe氏。
YouTubeは、YouTubeアプリのホーム画面に「ストーリーと短い動画」というショート動画用のセクションを表示し始めていたが、14日から同セクションで縦スワイプで次の動画を再生して、ショート動画を次々に視聴し続けられる機能を追加した。