P&Gのオーラルケアブランド「Oral-B by Braun」の電動歯ブラシ「オーラルB」といえば、高機能電動歯ブラシの定番ともいえるシリーズ。そんなオーラルBシリーズが、9月2日に新しい最上位モデル「オーラルB iO(アイオー)」を発表しました。
発売日は10月2日ですが、一足先にサンプル版を入手できたので、詳細をレポートします。価格はオープン、推定市場価格は39,800円前後(税別、編集部調べ)です。
駆動方式から一新! 期待のフルモデルチェンジ
オーラルBシリーズは毎年新モデルが発表されていますが、1999年に丸形回転ブラシの技術が採用されて以降、歯垢除去能力の強化や運転モードの追加、スマートフォンとの連動機能といった進化はあっても、基本構造は大きく変わっていません。しかし、今回発表された「オーラルB iO」(以下、iO)は、なんと約20年ぶりのフルモデルチェンジです。
今回のフルモデルチェンジでもっとも大きいのは、駆動機構が変わったこと。これまでは一般的なギア駆動式でしたが、新モデルでは磁気を利用した「リニアマグネティックシステム」を採用しています。
リニアモーターカーと同じ原理で、Oral-B by Braunによると従来よりもパワフル、かつ精密なコントロールを可能にするといいます。iOでは、リニア駆動によってブラシ一本一本がしっかり振動する「遠心マイクロモーション」を発生。これによりオーラルB史上一番という「手磨きよりも99.7%高い歯垢除去能力」を誇るそうです。
とはいえ「モーターが変わった」といっても、実際にどう変わったのかピンとこない人も多いのではないでしょうか? 筆者は同社が2019年10月に発売した「オーラルB ジーニアスX」を利用しているのですが、一番違うのは駆動の振動です。これまでのオーラルBは動作時にギアが高速回転する「ガーーッ……」という振動がありましたが、iOは「ウィーン」という滑らかな駆動音。歯ブラシを持っている手への振動もほとんど感じません。
実際にジーニアスXとiOで歯を磨いてみたところ、iOは歯に当たる感触もより細かく優しい印象。ジーニアスXは歯の凸凹部分でブラシが少しバンプする感触があったのですが、iOは凹凸のある場所もショリショリと優しいタッチで汚れを落としてくれるイメージです。フィリップスのソニッケアーシリーズのような、音波ブラシに近い感触です。
ますます「スマート」機能が進化!
歯磨きをアシストしてくれる機能も進化しています。そのひとつは「スマート押し付け防止センサー」。ブラシを歯に押しつける圧力を、LEDの光の色で教えてくれる機能です。適正なブラシ圧だと緑、弱すぎると白、強すぎる場合は赤色にLEDが光ります。従来製品もブラシ圧が強すぎると色が変化しましたが、iOはブラシ圧が弱すぎる場合にも知らせてくれるのが特徴です。
もうひとつの進化は「人工知能ブラッシング認知機能」。ユーザーがいま磨いている場所を、AIがリアルタイムに判断する機能です。従来も同様の機能はありましたが、口の中を上の右奥、手前、左奥、下の右奥、手前、左奥という6分割で認識していました。
iOではさらに、歯の外側と内側、かみ合わせ面まで認識。歯全体をなんと16のエリアに分割して、ブラッシング動作を検知します。「歯の表面は磨けてるけど、裏面に磨き残しがある」という状況を防いでくれるのはうれしいポイントです。
細かな使い勝手が向上、歯磨きが楽しくなる機能も
ほかにも細かな点で使い勝手がよくなっています。なかでも目を惹いたのは、歯ブラシとしてはかなり大きな液晶画面を搭載しているところ。ここには運転モードの変更やブラシ替えのお知らせなど、さまざまな情報が表示されます。面白いのが、歯磨きが終わると液晶画面に顔マークが表示されること。正しい圧力で正しい時間磨けると笑顔のマーク、うまく磨けていない場合は「しかめっつら」が表示され、歯磨きが楽しく感じます。
個人的にうれしかったのポイントは、充電器が「マグネット式充電スタンド」になったこと。従来は充電スタンドの棒状の突起に本体を差し込む必要があったのですが、iOの充電器はフラットな面に本体をポンと立てるだけ。手軽に充電できて、本体下部に余計なくぼみもないので汚れにくいのも大きなメリットです。
今回、iOと従来製品(ジーニアスX)を比べた結果、iOはフルモデルチェンジだけあっていろいろな進化を実感できました。もっとも強く感じたのは磨き心地。iOは電動歯ブラシとしては高価な部類なのですが、新しくを購入するのはもちろん、この磨き心地のために使用中の電動歯ブラシから買い替えてみるのもおすすめです。