SAS Institute Japanは7月22日、東日本旅客鉄道(JR東日本)が、SASのソリューションを使用したJR京葉線の海浜幕張駅におけるリアルタイムの混雑予測情報提供システムを実用化したと発表した。

SASは、スポーツ観戦後など利用者が同駅に一斉に集中し駅が混雑する状況を改善するために、同社の機械学習(ML)を用いたアナリティクスを使用することで、5分後から30分後の駅周辺の混雑状況をリアルタイムに予測しているという。

  • リアルタイム混雑予測情報提供システムのイメージ

リアルタイム性が重要なこの取り組みにおいて、同社の機械学習である「SAS Visual Data Mining and Machine Learning」を用いて構築した混雑予測モデルを、エッジコンピューティング/ストリーミング機能を担う「SAS Event Stream Processing」に実装し、リアルタイムの予測結果算出により実現したとしている。予測モデルの結果は、実際の混雑状況に非常に近い精度だと同社はいう。

これにより、混雑時に利用者に対して、街の回遊など自発的なオフピーク行動を促し混雑を分散、利用者の満足度向上と駅周辺の街の活性化、駅での安心・安全を同時に向上させるとのこと。

混雑予測結果は、京葉線沿線情報アプリである「京葉線プラス」及びZOZOマリンスタジアムに設置したデジタルサイネージを通じて配信する。

同社は今回の実用化に先立ち、JR東日本が2019年8月20日から10月31日に主催した、モビリティ変革コンソーシアムのサブワーキンググループによる「駅からはじまるスポーツのまちキャンペーン」に参画し、京葉線の海浜幕張駅及び蘇我駅周辺エリアにおいて海浜幕張駅の混雑予測の実証実験を実施し、その成果として今回導入したという。

サブワーキンググループによる「駅からはじまるスポーツのまちキャンペーン」には、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)、エヌ・ティ・ティ・コムウェア(NTTコムウェア)、SASの3社で共同開発した「人流サービス基盤」を用いて行ったという。

SASは、海浜幕張駅をより安心して利用してもらう取組みを、今後もアナリティクスを通じて支援していくとのこと。 また、同社の混雑予測モデルを今後も多様な形で提供し、街の活性化などを支援する取り組みを継続していくとしている。