米Twitterは7月16日、新しいAPIを発表した。新バージョンでは、新たなエンドポイント機能などを導入し、開発者がTwitter上の公共の会話と世界規模で開発を行うために役立つようになっているという。

新バージョンのTwitter APIは、これまでとは異なる基盤の上に構築されており、2012年のリリース以来、初めて設計を見直し、公共の会話からより多くのインサイトを引き出すことのできる新機能も加えた。基盤が新しくなったことにより、これまでより迅速かつ確実に新機能を追加でき、Twitter上にある多くの新機能をAPIに含める予定だという。

開発者向けの新機能が加わることで、APIが使いやすくなり、どのフィールドが返信されるのかを特定したり、同じレスポンス内で会話からより多くのツイートを読み出したりといったことが可能になる。これまでのAPIにはなく、要望が最も多かったいくつかの機能が使え、例えば会話のスレッド表示や、投票結果のツイート内での表示、プロフィール上の固定ツイート表示、スパムフィルタリング、強力なストリームフィルタリング、検索クエリ言語などとなる。

また、開発者が開発を簡単に始められたり、開発規模を拡大したりできるよう、複数のアクセスレベルを設けている。これまで、Twitter APIはスタンダード(無料)、プレミアム(有料のセルフサービス型)、エンタープライズ(有料のカスタムAPI)の3つに分かれ、それぞれ異なるプラットフォームやエクスペリエンスを提供していた。

開発者もニーズの変化や拡大に伴い、それぞれのAPIの行き来は面倒な作業になっていたことから、今後は研究者からメーカーや企業に至るまで、すべての開発者が同じAPI上を使用して高いレベルでのアクセスと拡張を実現できるようになるという。

そのため、開発用途や目的別に新しい区分としてプロダクトトラックを導入し、例えば各ニーズに応じた適切なエクスペリエンスやサポートを提供すると同時に、それぞれに応じたアクセスレベルと適切な料金体系(有料の場合)の提供を予定し、まずは「スタンダード」「学術研究(近日開始)」「ビジネス(近日開始)」をスタートさせる。

スタンダードは、デフォルトのプロダクトトラックとして利用可能になり、開発を始めたばかりの人や趣味で何かを開発している人、何らかの目的があって勉強したり教えたりしている人を含めて、ほとんどの開発者が対象になり、将来的には高度なレベルのアクセスの追加を計画している。

学術研究については、研究者は公共の会話で何が起こっているのかを理解するためにTwitter APIを利用しており、将来的には要件を満たした学術研究者に関連するエンドポイントで高度なレベルもしくはカスタムでのアクセスが得られる方法を提供し、Twitter APIと併せて学術研究に役立つリソースやツールの提供も行いう。

ビジネスは、Twitterの公式パートナーやエンタープライズデータカスタマーなど、Twitter API上でビジネスを構築する開発者を対象とし、同社ではこうした開発者のプロダクトが、人々や企業のTwitter上での会話の理解を深め、会話に参画していく上で役に立ってほしいと考えている。将来的に、トラックに関連するエンドポイントへの高度なレベルやカスタムレベルのアクセスも提供を予定している。

  • 各アクセスレベルの概要

    各アクセスレベルの概要

さらに、新しいAPIを最大限に活用してもらうため開発者ポータルも刷新。今回、開発をスタートするためのオンボーディングウィザードも新たに用意し、アプリの管理、APIの使用状況や制限の把握、新しいサポートセンターへのアクセス、ドキュメントを入手できるほか、今後はさらに多くの機能を追加して充実を図る予定。

開発者がTwitter APIを利用する最大のニーズは、Twitterで起きている会話をリスニングし、分析することであるため同社では開発者向けの新しいエンドポイントの第1弾として、アーリーアクセス版の提供を開始する。

今回リリースしたすべてのAPI機能は、新しく設けた基本アクセスレベルで利用でき、基本的にアクセスレベルは常に無料で、最終的に1.1バージョンのスタンダード、プレミアム、エンタープライズのAPIはすべて新しいAPIに替わるが、移行が完了するまでに多くの開発が残されており、そのため現段階のAPIをアーリーアクセス版と呼んでいる。

さまざまな実験を行っているTwitter Developer Labsとは違い、今回リリースする機能は完全にサポートされており、本番環境で利用できるようになっている。

今後、同社ではロードマップを公開してAPIのビジョンについて最新情報を提供し、引き続きフィードバックを共有して意見を開発に取り入れたオプションも用意しており、具体的には返信の非表示(および非表示解除)の完全サポート、およびビジネス利用を前提としない学術研究者には一定の上限まで無料アクセスの提供を予定している。