新型コロナウイルスの影響で開幕が遅れていた日本プロ野球、6月19日にとうとう始まりました。しばらくは無観客試合でしたが、7月10日以降には各スタジアムとも最大5,000人とはいえ、観客を入れた試合もスタート。多くのファンはテレビやネットの中継で観戦することになりますが、それでも試合があるだけで野球ファンにはうれしいものです。

  • 福岡ソフトバンクホークスのゲームをVR配信で体験

    福岡ソフトバンクホークスのゲームをVR配信で体験。思っていた以上にすばらしいリアル&スタジアム感でした!

【動画】VRモードでは、このような映像が目の前に広がります。迫力ありすぎ。カメラの切り替えもすばやい!
VR SQUARE (c)SoftBank HAWKS
(音声が流れます。ご注意ください)

振り返って6月19日からの3日間は、一切の仕事をせず愛する横浜DeNAベイスターズの試合をネット中継で観戦し、試合がない時間はファン仲間とワイワイと(ネットを介して)話をして生きるため仕事を前倒しでがんばった筆者。そんな自分の元に、マイナビニュース・デジタルの編集林氏から一通のメールが。

「福岡ソフトバンクホークス(以下、ホークス)がPayPayドームで開催する公式戦全60試合をVRライブ配信するサービスがありまして、開幕3連戦を試してもらえません?」との内容。は? 同日同時刻に横浜戦の試合を見る自分が?

  • 開幕を祝うと同時に、リモート観戦についてお知らせしてくれるホークスの公式サイト

メールは続きます。「4台のカメラで4種類の視点から、VRで自由に見られるんですよ。まるで本当にスタジアムで観戦しているかのようだそうです」

あ、やります。横浜戦と交互に見ますが、ぜひやります。スタジアム観戦は、横浜戦以外も含めて年間20試合くらい行くほど大好きなんです。

そもそもホークスというチームが嫌いなわけではなく、いつか、いや今年こそ日本シリーズで倒したい相手として勝手にライバル視しているだけですしね。第三者的にはスター選手がそろった見応えのあるいいチームだと思っているのです。

ライブ配信するVR SQUAREとは?

PayPayドームからのホークス戦配信は、ソフトバンクが提供する「VR SQUARE」で行われます。VR SQUAREは、ソフトバンクによる5G通信サービス開始に先がけて始まった、スマートフォン向けコンテンツ配信プラットフォーム「5G LAB」のサービスのひとつです。

VR SQUAREの「ソフトバンクホークスチャンネル」(税込980円/月)でホークス戦を配信し、VR観戦はスマートフォン向けアプリで楽しみます。PayPayドーム内には、ホームベース後方、一塁ベンチ横、三塁ベンチ横、ライトスタンドという4台のカメラが設置され、VRライブ配信中は自由にカメラを切り替えられます(無観客試合の期間中は、ライトスタンドの代わりに、内野のかぶりつき席であるコカ・コーラシートでした)。

  • コカ・コーラシートに設置されたVR用カメラ。グラウンドが目の前にあります
    VR SQUARE (c)SoftBank HAWKS

さらに、「5G LAB」で提供されている「FR SQUARE」と「AR SQUARE」でも、ホークス関連のコンテンツが堪能できます。

FR SQUAREでは、バックネット裏や天井といった4台のカメラからの映像を、「Free view point Reality(多視点)」という言葉のとおり切り替えて好きな視点から見られます。さらには、バッターボックスなど特定の場所の視点を回転させて自由な角度から見ることも。AR SQUAREでは、ホークスのマスコットキャラ、ハリーホークのARで遊べます。これらは5G対応スマホと5Gエリア内なら、より快適に楽しめるでしょう。今回は4G LTE環境で試しましたが、通信速度の問題は感じませんでした。

  • FR SQUAREで視点を回転させるために、複数のカメラで映像を撮影
    FR SQUARE (c)SoftBank HAWKS

  • AR SQUAREでは、ハリーホークと一緒に写真が撮れます
    AR SQUARE (c)SoftBank HAWKS

これらを駆使することで、スタジアムに行けなくても、まるで実際に現地で観戦している気分が味わえるわけです。

  • 掲出された応援ボード。行けないけど気持ちだけはいつだってスタンド
    VR SQUARE (c)SoftBank HAWKS

前置きが長くなってしまいましたが、PayPayドームで開催されるソフトバンクホークスの試合をVRとFRで観戦できて、ARでも楽しむことができるサービス……と理解すれば大丈夫です。

多彩なアングルを手軽に楽しめるFR観戦

さて、今回の機材は、ソフトバンクのスマホ「ZTE Axon 10 Pro 5G」と、VRゴーグル「Pico U」です。今回はVRとFRを試しました。

  • VR観戦には、ソフトバンクのスマホ「ZTE Axon 10 Pro 5G」と、VRゴーグル「Pico U」を使いました

まずはFR観戦。マルチアングルモードでは、上述のとおりバックネット裏や天井といった4台のカメラから自由に視点を選べます。左側の小さい画面から見たい映像をタップすると、そこが大きく表示されるのです。

  • FRで見る試合前の国歌吹奏シーン。映像右側の並ぶ選手たち、ビジョンの映像、グラウンドの様子といった小さなエリアをタップすると、そちらが中央の大きいエリアに移動します
    FR SQUARE (c)SoftBank HAWKS

  • FRでの試合中映像。テレビ中継風の画像だけでなく、バックネット裏、バッター横、上からの映像が楽しめます
    FR SQUARE (c)SoftBank HAWKS

【動画】見たいところをタップすればすぐに切り替わります
FR SQUARE (c)SoftBank HAWKS
(音声が流れます。ご注意ください)

FRのぐるっとカメラモードでは、バッターボックスを文字通りぐるっと自由な角度から見られます。画面のスワイプで動かせるので、指先ひとつでさっと見たい方向を選べる簡単さ。ぐるっとカメラモードとマルチアングルモードも即座に切り替えられます

  • 2回裏の今宮選手が2ベースを打つ瞬間。ぐるっとカメラモードで角度を自由に選べます。タイミングは難しいですが……
    FR SQUARE (c)SoftBank HAWKS

【動画】
ぐるっとカメラモードで見る甲斐キャノン。肩だけでなくスローイングもすばらしい!
FR SQUARE (c)SoftBank HAWKS(音声が流れます。ご注意ください)

これらは映像を見てもらったほうが百万倍くらいわかりやすいと思うので、画像や動画で確認してみてください。これまでテレビやネット配信などで我々が見てきたプロ野球中継を、より多くの情報が得られるように進化させたものです。スマホからの映像出力で大画面テレビに映し出せば、もう完全に新時代の野球中継といえるでしょう。

  • HDMI出力でテレビでの視聴も可能です
    FR SQUARE (c)SoftBank HAWKS

VR観戦、まるで球場にいるのかのよう!(本当だった)

スタジアム観戦が大好きな自分のような野球ファンにとって、気になるであろうVRモードを体験してみます。今回のお目当てはこのVRモードでした。スタジアムに行きたい、グラウンドにいる選手の動き全体を見たい、スタジアムで応援したい、スタジアムでビールが飲みたい、という欲望を満たしてくれそうだったからです。ビールは自宅で用意すれば気分を味わえます。

VRモードでは、ホームベース後方、一塁ベンチ横、三塁ベンチ横、ライトスタンドという4つの視点から観戦できます。それぞれの映像は前面180度ほど広がりがあるので、スマホを動かすか指のスワイプで方向を変えられ、ボールを追いかける、選手の動きを見るなど自由な観戦が可能です。また、映像の中央上部にはテレビ中継と同じような映像がはめ込まれるので、球場+テレビのようなお得さあふれる観戦体験になります。

  • VRモードのホームベース裏カメラからの映像。上部中央には普通のテレビ中継映像が自動的にはめ込まれ、各種の情報を確認しやすくなっています
    VR SQUARE (c)SoftBank HAWKS

  • カメラ位置は4カ所。タップで自由に選択できます
    VR SQUARE (c)SoftBank HAWKS

  • 一塁ベンチ横からの映像。正面でもレフトの奥のほうまで見えますし、VRなので角度を変えればライト側やキャッチャーの後ろのほうも見渡せます
    VR SQUARE (c)SoftBank HAWKS

  • 三塁側ベンチ横映像。投手が右投げか左投げか、打者が右打ちか左打ちかで切り替えるのもいいですね
    VR SQUARE (c)SoftBank HAWKS

  • 無観客試合だけのスペシャル視点だったコカ・コーラシートからの映像。あれは本多コーチ! かなり近いですよこれ!
    VR SQUARE (c)SoftBank HAWKS

このリアリティはすごい!

そしてVRゴーグルを使えば、実際にスタジアムにいるかのように試合を観戦できるわけです。では、VRゴーグルで6月19日の開幕戦を見てた筆者の感想を、試合の開始から終了まで詰め込んでリアルにお届けします。

  • VRゴーグルを装着している様子。中央のテレビに映っている映像が目の前に!

試合序盤「うおおお!!! すっげ! スタジアムじゃん! いまスタジアムにいるじゃん!」

  • 目の前に広がる映像。ゴーグル装着モードから一度切り替えて撮影してという手間が結構大変です
    VR SQUARE (c)SoftBank HAWKS

試合中盤「うおおお……コカ・コーラシートやベンチ横映像だと選手が目の前に来るうううう! キャッチボールしてる東浜投手が目の前にいるうううう!! 首を振ればすぐそっちが見えるからホントにスタジアムううううう!!!!!!」

  • 東浜投手が目の前に!
    VR SQUARE (c)SoftBank HAWKS

試合終盤「ああ、同点になって10回裏……サヨナラだーーーー!!!!!!」

  • VRゴーグル内の映像はこうなっています。左右の映像をレンズでうまく組み合わせて、迫力あるものにしています
    VR SQUARE (c)SoftBank HAWKS

【動画】8回裏、柳田選手による先制得点シーン。上林選手がホームインした瞬間は、無観客でも気持ちは十分以上に盛り上がります
VR SQUARE (c)SoftBank HAWKS
(音声が流れます。ご注意ください)

以上、お見苦しい点が多々ありましたが、本当にこんな感じだったのです。VRゴーグルによる映像の迫力の前に語彙力は喪失しました。スマホの向きを自分で変えたり画面をスワイプしたりするより、やはり首を振って映像を動かすのはリアル感が違います。

ホークス選手の応援歌を覚えていないので歌えませんでしたが、知っていたらきっと勝手に1人で歌っていたでしょう。試合中盤の「いざゆけ若鷹軍団」は歌いました。とにかくそれほどの「スタジアムにいる感」が味わえます。カメラの切り替えは視点操作なので、手を使うといった必要はありません。とても手軽。

  • イニングの合間、ペッパーくんとチアのお姉さんによる「いざゆけ若鷹軍団」タイム
    VR SQUARE (c)SoftBank HAWKS

ホームベース後方からのカメラ視点なら、バックネット裏から見ている感覚。一塁ベンチ横と三塁ベンチ横は、普段は見られない角度なこともあり、選手が目の前に来るといった映像に興奮です。コカ・コーラシートも同じく、キャッチボールをする投手や一塁の選手がとても近く、1万円以上の値段(変動制)になることもある席からの視界は最高でした。

観客が入ってライトスタンドからのカメラが解禁されれば、俯瞰でグラウンド全体が見えるうえ、外野席のお客さんたちと一緒に応援しているような気分が味わえそうです。こちらもFRと同様に言葉では伝わらないので、画像や映像で体験してみてください。

  • PayPayドームの座席案内ページ。内野の左右に張り出しているのがコカ・コーラシートです

注意点は、スマホのデータ通信量。高解像度の動画を3~4時間は見続けるので、データ通信量がとんでもないことになります。各キャリアのデータ通信量が大きいプランや、5Gの恩恵は受けられませんが自宅のWi-Fiを利用するとよいでしょう。また、ソフトバンクの通信プラン「メリハリプラン」なら、VR SQUARE、FR SQUARE、AR SQUAREの通信容量がカウントされずに見放題なので(一部の通信を除く)、おすすめです。

新たな観戦スタイルとして各球団もぜひ取り組んでほしい

VR野球観戦は、ひいきのチームではなくとも本当に面白くてすばらしい体験でした。我が横浜DeNAベイスターズもKDDIと提携してバーチャルスタジアムを構築するというニュースがありました。

  • 気兼ねなくスタジアムに行けるようになってほしいですね

さすがは親会社が携帯キャリアだけあって、ソフトバンクホークスが先陣を切ったこの新しい観戦スタイル。ほかの球団も同様な取り組みをしてくれれば、なかなか球場まで足を運べない、チケットが手に入らないといったファンも、スタジアム観戦の楽しさを手軽に、そして存分に味わえるでしょう。

また、まだまだ人が集まる場所はなるべく避けたいという野球ファンは多いはず。そんな野球ファンのためにも、自宅でスタジアム観戦の気分が味わえるVR野球観戦が広がっていくことを期待します。