ヤフー(Yahoo! JAPAN)は6月1日、Webサービスにおける誹謗中傷などへの対策強化を発表した。同社が「Yahoo!ニュース コメント」で導入している自然言語処理AIの技術を他社へ提供したり、専門の検討会を設置したりする対策を想定している。

Yahoo! JAPANは、インターネットニュース配信サービス「Yahoo!ニュース」のコメント投稿について、深層学習を用いた自然言語処理による判定モデル(AI)と、独自開発した深層学習特化型スーパーコンピュータ「kukai」を、違反コメントの検知や、コメント表示順などに活用。誹謗中傷等の内容を含む投稿行為を禁止するというポリシーに基づき、1日平均約2万件の不適切な投稿(記事との関連性の低いコメントや誹謗中傷等の書き込みなど)を削除している。

恋愛リアリティ番組「テラスハウス」に出演していた女子プロレスラー・木村花さんが、SNS上で誹謗中傷を受けたあとに亡くなったことを受け、同社は対策の強化を発表。コメント投稿に導入している自然言語処理AIを他の投稿系サービス事業者に技術提供することや、問題への対処に関して議論する検討会の設置を実施する。

検討会の設置は、問題への対処にあたり「法的課題や実務的課題があると認識」しているため。法律家のほか幅広い分野から有識者を募り、2020年6月中をめどに設置、会議の結果を公表していくとした。