矢野経済研究所が4月2日に発表した、「2020年版 オンライン決済サービスプロバイダーの現状と将来予測」の抜粋によると、EC決済サービス市場(主にECサイトなどで発生する決済業務の代行サービス提供事業者の取扱高ベース)の2019年度における市場規模は16兆4083億円となる見込みであり、2023年度には28兆4341億円へ拡大するという。

  • EC決済サービス市場規模推移と予測

決済代行業者やペイメントサービスプロバイダー(PSP)など、ECサイト向けに決済サービスを提供する事業者は、これまでEC加盟店向けの決済サービスを主に展開してきたが、競争の激化により、これらのサービスで収益を上げるには厳しい状況にあるという。

一方、QRコード決済(オンライン取引)を始めとする新しい決済手段が登場しており、決済代行業者を中心にオンライン取引向けにQRコード決済サービスを拡充する動きが出ているとのこと。

これは、多様化する決済手段に対応することで、より広い層の消費者を取り込もうとする加盟店に対して、利用促進を図る意味合いがあるとしている。

また、ECサイト向け決済サービス提供事業者は、企業間取引やBtoB向けのECサイトなどの決済領域へ注力しており、顧客企業に対しては単なる決済の取扱いだけでなく、業務削減や資金繰り支援など、利便性を向上させることにより取扱高の拡大に繋げようとしているとという。

市場の動向として、同社はQRコード決済(オンライン取引)を中心とする決済手段の拡充に注目している。

QRコード決済サービス提供事業者による大型キャンペーンや政府が開始したポイント還元事業などを背景に、QRコード決済はオフライン取引での利用が拡大しているという。

ECサイト向けに決済サービスを提供する決済代行業者は、決済サービスのラインナップ拡充を通じて幅広い加盟店のニーズに対応しており、特にQRコード決済(オンライン取引)サービスを拡充する動きが出ているとのこと。今後、QRコード決済(オンライン取引)の利用が進む見込みだという。

将来的には、EC決済サービス市場は今後も堅調に拡大していくと同社は予測する。 EC市場の拡大・EC化の促進に加え、BtoB領域でのサービス拡大、セルフレジや自動販売機などの無人機を含めたリアル店舗向けサービスの展開などが成長要因になると同社は考えている。