The Linux Foundationは現地時間10日、災害救援プロジェクト「Project OWL」のIoTデバイス ファームウェア プロジェクトをホストすることを発表した。

IBM主催の自然災害に対する課題解決に"コード"の力を活用するプログラム「Call for Code 2018」で優勝した「Project OWL」は、自然災害発生後の大規模な緊急ネットワーク構築のためのプロジェクト。太陽光発電/バッテリー駆動の防水WiFi IoTデバイスである"DuckLink"、ハブとなるIoT LoRaデバイス"MamaDuck"、ゲートウェイとなる"PapaDucks"のハードウェアでメッシュ ネットワークを構築。緊急時にモバイルデバイスへのネットワークを提供することで、自然災害後の人命救助や物流確保に寄与することを意図している。2019年3月からIBMとともにプエルトリコで2平方マイル(約10平方キロメートル)に63羽のDuck(アヒル)を配置した大規模な実験を行っている。

  • DuckLinkの仕組み(公式サイトより)

    DuckLinkの仕組み(公式サイトより)

現地時間10日、The Linux Foundationはこの「Project OWL」のIoTデバイス ファームウェア プロジェクトをOSSとしてホストすることを発表。メッシュネットワークを構築するClusterDuckプロトコルを世界中の開発者の手に委ねる重要なマイルストーンになるとしている。

The Linux Foundationの戦略プログラム担当バイス プレジデントであるMichael Dolan氏は「人々の生活に直接影響を与える可能性があるテクノロジーを開発する場合、 オープン ガバナンスモデルのもと開発者が協力する可能な限り大規模なグローバル コミュニティをもたらすことがこれまで以上に重要になります。 Project OWLのテクノロジー ソリューションは、より良い情報と分析を提供しており、 最も必要とされる場所と時間にリソースと看護を迅速に配備することを可能にします。私たちはこのような価値のある目的を支援できることを誇りに思います。」と述べている。