米Googleは3月3日 (現地時間)、開発者カンファレンス「Google I/O 2020」の通常開催の中止を発表した。5月12日〜14日に米カリフォルニア州マウンテンビューでの開催を予定していたが、新型コロナウイルス (COVID-19)の感染が米国でも拡大し始めており、CDC (米疾病管理予防センター)、WHO (世界保健機関)などのヘルスガイドラインに従って中止を決めた。「今後数週間のうちに、開発者コミュニティとのつながりを深めるようにGoogle I/Oを発展させる別の方法を求めていく」としている。

Google I/Oは世界中から開発者やパートナーが集まるGoogle最大の開発者イベントだ。キーノートにおいてGoogleの方針を示し、開発中の様々な技術やサービスのデモを披露する。また、昨年「Pixel 3a」を発表したように春の新製品発表の場にもなるほか、近年は秋にリリースするAndroidの次期メジャーバージョンのベータ版をGoogle I/Oでリリースしている。

Google I/O 2020のチケット購入者には3月13日までに返金する。Google I/Oのチケット購入には抽選方式が採用されているが、今年の購入者には来年のGoogle I/O 2021のチケットを購入できる権利を与える。

前日にはGoogle Cloudが4月6日〜8日に米サンフランシスコでの開催を予定していた「Google Cloud Next ’20」の通常開催中止を発表した。「Google Cloud Next ’20: Digital Connect」という無料オンラインイベントに切り替え、キーノートやブレークアウトセッションをストリーミング提供し、インタラクティブセッションも用意する。Google I/Oも同様に、今年はオンラインで開発者をサポートしていくことになりそうだ。

新型コロナウイルスの影響で、すでに「MWC Barcelona 2020」(2月24日〜27日)、「GDC (Game Developer Conference)」(3月16日〜20日)、「Facebook F8」(5月5日〜6日)といったテクノロジー産業の大規模なイベントが中止になった。Google I/O 2020と同時期にMicrosoftが「Build 2020」(5月19日〜21日)を予定しているほか、毎年6月にAppleが開発者カンファレンス「WWDC」を開催しているが、5月後半以降についても世界中から参加者を集める大規模イベントの通常開催は不透明な状況だ。