レゴといえば、子ども向けのブロック玩具として有名ですが、実はレゴを用いた教育部門「レゴ エデュケーション」の事業を40年前から行っています。すでに複数の教材を出していますが、1月20日に最新製品となるSTEAM教材「レゴ エデュケーションSPIKEプライム(以下、「SPIKEプライム」)」を発表しました。
SPIKEプライムは、中核となるコンピュータ「ハブ」にモーターやセンサーを接続すれば、Scratchベースのビジュアルプログラミングで操作できる教材。レゴの規格に合ったブロックを組み合わせて、さまざまな形状のロボットが作れます。従来モデル「レゴ マインドストーム」よりもメカっぽさをなくし、女子でも親しめるように仕上げています。
小学校高学年から高校生までを対象としており、希望小売価格は45,800円(税別)。このセットは528のパーツから構成されていますが、603パーツを追加した「SPIKEプライム拡張キット」も用意します。
プログラミングに夢中になれる環境を提供したい
冒頭、レゴ エデュケーションジャパン代表の須藤みゆき氏が、レゴ エデュケーションとSTEAM教育に関して説明を行いました。「日本のすべての子どもたちにSTEAM教育を」というミッションのもと、「継続した学び」「夢中になれる環境」「子どもと地球に安全で継続的なSTEAM教育を楽しみながら学べる形」を提供したいと語ります。
プログラミング教育の必修が今年から開始されますが、教育現場へアンケートを取った結果、力を入れたいTOP3が「楽しく取り組める」「論理的な志向や客観的な志向を養う」「試行錯誤と成功体験を味わせる」で、そのためには「十分な学習教材」「体験型・参加型の授業」「十分な授業時間」が必要になるという現場の声を説明しました。
SPIKEプライムはより「レゴっぽく」なり能力もアップ
今回登場したSPIKEプライムの詳細は、レゴ エデュケーションジャパン キーアカウントマネージャーの江口敬介氏が紹介しました。
SPIKEプライムは、プログラムを実行する核となる「ハブ」やモーター、センサーのほか、車輪やベースブロックなど528個のパーツに加え、収納ケースと仕訳トレイがセットになっています。いずれも、サッと出して利用し、収納できる工夫がされています。
SPIKEプライムを制御するプログラミング言語は、ビジュアル系言語として学生にも多く利用されているScratchベースのもので、小学生でも簡単にプログラムが組めます。また、今後Python言語にも対応し、高校生向けのテキストコーディングにも対応する予定となっています(2022年の高校プログラミング教育必修に間に合うかどうかのコメントはありませんでした)。
プログラムを走らせているところ。「腰を3回振って、手を2回回す」動作を3回繰り返しています
ハブの中央には5×5ドットのLEDが付いており、簡単な文字列や記号を表示できるほか、内蔵スピーカーで音の出力も可能。ハブには6軸センサーを内蔵しており、「モーターを使って本体を60度左回転させる」といった動きにも対応できます。モーターは、高速回転用のMモーターとパワフルなLモーターが付属。センサーは、色を判断するカラーセンサー、距離センサー、接触や圧力が分かるフォースセンサーの3種類が用意され、ハブに最大6つまで取り付けられます。
授業で活用しやすいよう、先生向けのサポートツールを用意しているほか、実社会にもつながる30種類以上のプロジェクトも用意しています。SPIKEプライムを用いたロボットコンテストも開催される予定で、今後のプログラミング教育で注目の教材となりそうです。
「温度が低いと傘をさす」という状況で山形の天気を持ってきたところ。モーターは単に回転するだけでなく、サーボモーター的に指定された位置への移動もサポートしていることが分かります