「そろそろBDレコーダーを買い換えたい」という人のために、レコーダーの最新トレンドを紹介。今回は、ソニーの最新BDレコーダー「BDZ-FBT4000」(4TB)をピックアップ。新作のドラマやアニメを1カ月前から録画予約できる「先録」に注目します。シャープや東芝、パナソニックの最新BDレコーダーも合わせてご覧ください。
年末年始や連休などのまとまった休みは、外に出かけるのもいいけれど、自宅でテレビで見ながらゆっくり過ごしたいものです。テレビドラマやアニメの新番組が始まるタイミングや、2020年夏のビッグなスポーツイベントに備えて、BDレコーダーの買い換えを検討している人も多いはず。見たい番組を録り逃さないためにも、メーカーや製品ごとの特徴をしっかり把握して最適な1台を選びたいところ。
BDレコーダーに録画予約をいれる作業は、昔は番組改編期のたびに面倒くさいと感じていましたが、最近のレコーダーは「録画の自動化・省力化」が進んでおり、「ラクして見たい番組を録り逃さず、録りためた番組はすぐ消化したい」という願いを叶えてくれる機能が充実しています。また、2018年12月にスタートした新4K衛星放送を録画できるレコーダーも増えてきました。
テレビをつける時間は減っても、ネットで話題になるのはやっぱりドラマやアニメといった番組。うっかり録画予約を忘れて「初回の1話録り忘れた!」なんてことがないよう、ソニーは最新BDレコーダーに新作の連続ドラマ・アニメを約1カ月前から録画予約できる機能を搭載し、「先録」スタイルとして提案しています。いったいどんな機能なのでしょうか。「BDZ-FBT4000」(11月発売)で、録画機能の使い勝手を確かめてみました。
最新ドラマ・アニメを先行予約して録り逃し防止!
ソニー「BDZ-FBT4000」(4TB)の実売価格は、掲載時点(12月11日)で税込14万7,000円前後。内蔵HDDの容量が異なる、3TB「BDZ-FBT3000」(税込12万円前後)や、2TB「BDZ-FBT2000」(税込11万円前後)もラインナップしています。1TBの「BDZ-FBT1000」は10万円を切り、税込約96,000円で販売されているところもあります。
BDZ-FBT4000のメニュー画面は、かつてソニー製BDレコーダーを使っていた筆者からすると、ずいぶん見やすく整理されたように感じます。PlayStation 4などでおなじみの「クロスメディアバー(XMB)」は、2016年製モデルから廃止され、上下2階層構造のメニュー画面に刷新されたのです。XMBでは左右に機能項目、上下にコンテンツなどが並ぶ配列でしたが、これが変更されたことで、やりたいことや設定したい項目が探しやすく、メニューとしての見通しが良くなりました。
ソニーBDレコーダーの録画機能の注目ポイントは、「新作ドラマ・アニメガイド」機能。新作のドラマやアニメが最長で1カ月前から録画予約できる機能で、そのうち録画予約しようと思いながら結局録り逃してしまう……という失敗を防げるとアピールされています。レコーダーが自動で予約を入れてくれるのではなく、ユーザーの積極的な録画予約を促していく「先録」スタイルです。先録機能は、2019年発売のFBシリーズのBDレコーダでは新たに4K放送にも対応しました。
最近はネットメディアのおかげで、新しく始まる注目番組の情報や概要を放送開始前から知ることができます。しかし、ソニーのBDレコーダーが搭載する通常の番組表には、初回放送の8日前にならないと新番組が掲載されないため、それまで録画予約を設定できないモデルが多くあります。
ソニーの新作ドラマ・アニメガイド機能では、最長1カ月前から録画予約番組をチェックして予約操作が可能です。たとえば2020年1月期ドラマ・アニメの放送終了が近づく3月頃には、番組改編期にあわせて「春の新作ドラマ」などの表示が現れ、次の4月期ドラマ・アニメの予約が入れられる状態になる、というわけです。この機能ではKADOKAWA「ザテレビジョン」のデータを活用するため、あらかじめネットワーク接続を有効にする必要があります。
操作画面は分かりやすく、1カ月先の番組データもサムネイル付きで表示されるので、タイトルの文字列をいちいち追わなくても目に入ってきたビジュアルだけで直感的に録画予約を入れられるので便利です。ここから「先行予約」しておくと、番組表でデータが見つかったタイミングで自動的に録画予約に置き換わり、放送時に録画される仕組みです。
ただし、地域によっては受信設定しているチャンネルで放送されず、予約録画が行われない場合もあるので、放送間近になったら改めて予約リストをひとととおりチェックすることをオススメします。
見たい番組や興味のあるジャンルがある程度決まっていてそれ以外は録らなくてもかまわない、録画する新番組は自分で決めたい、というユーザーにとっては「先録」スタイルのほうが使い勝手が良さそうです。
もちろん、先録以外の通常の録画機能もしっかりしており、4K放送を含めて録り逃しを防げる自動録画機能「おまかせ・まる録」も備えています。
また、ソニー製レコーダーのユーザーが予約を入れた件数に合わせた「予約ランキング」や、口コミを元にした「口コミランキング」からの録画予約もできます。今見られている番組や、これから盛り上がりそうな番組をレコーダー内でチェックして、気になったらそのまま録画予約できる仕組みは、さすがによくできています。
これらの情報は、ソニーのリモコン付きテレビ番組表アプリ「Video & TV SideView」(無料)とも連動しており、スマホ画面からもチェックしたり、出先から録画予約を入れることも可能です。
録画機能の注目ポイントとしては、BS4Kダブルチューナーを搭載しているので、4K放送の2番組同時録画が可能です。4K録画中でも別の4K番組を視聴したり、新4K放送や地デジを含めた3番組同時録画もできます。ソニーのFBTシリーズは、上記の「おまかせ・まる録」が稼働しているときも、トリプルチューナーで効率よく同時録画できるようにソフトウェアを制御して、録り逃しを防ぎます。
また、「4K放送長時間録画モード」を搭載している点にも注目。これは録画データの容量を少なく抑える機能で、最大11倍で録れる「EERモード/3Mbps」まで、7つのモードに細かく分かれています。
録画リスト画面はシンプルですが、ジャンルごとに自動分類される仕組みは従来のソニー製BDレコーダーの利便性を引き継いでおり、使いやすいと感じます。また、再生中にオプションボタンからシーンサーチやチャプタサーチを呼び出したり、1.3倍の早見再生機能で効率的に番組視聴できるなど、再生機能も充実しています。
レコーダーで再生できるディスクは、4K Ultra HD Blu-ray(UHD BD)、4K録画BD、Blu-rayビデオやBDXLを含むBD-R/RE、DVDなど。
スパイダーマン映画史上初のアカデミー賞獲得という快挙を成し遂げた、アニメ映画「スパイダーマン:スパイダーバース」のUHD BDを再生すると、映画館で見たときには気付かなかった微細なアメコミ的表現などが、4K解像度のくっきりとしたキレイな映像で楽しめました。画面がマンガの1ページのようにコマ割りで分割されたり、キャラたちの心情が吹き出しと文字で現われるといった映像表現は、何度見ても楽しいものです。コミックのザラッとした紙っぽさを表わすドットやスクリーントーンがちらっと画面に現れて喜ぶのは筆者くらいかもしれませんが……。
ソニーならではの特徴としては、ハイレゾ音源の再生に対応していることも見逃せません。ハイレゾ対応のサウンドバーやAVアンプとスピーカーが別途必要ですが、ネットワーク経由でレコーダーの内蔵HDDに保存した192kHz/24bitまでのWAV/FLACや、5.6MHzまでのDSDをハイレゾ再生できます。
本体背面のHDMI出力は2系統で、うち1系統は音声専用。テレビ・AVアンプと組み合わせるための映像・音声セパレート出力に対応しており、音声伝送の品質向上が期待できます。
新4K放送も含めて、見たい番組や興味のある連続番組がある程度決まっており、なるべく早めに録画予約を済ませて安心したいユーザーには、「先録」搭載のソニーBDZ-FBT4000がオススメです。