NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は12月9日、長距離・大容量伝送に優れるというコア低損失大口径光ファイバー(CSM)ケーブルと最先端の高度デジタルコヒーレント光伝送装置により、同社調べで世界最高水準となる400Gbpsの伝送基盤を東京-大阪間で構築したと発表した。

  • 400Gbps伝送基盤の全体イメージ

同伝送基盤は国立情報学研究所(NII)が運営する学術情報ネットワークである「SINET5」のバックボーンに組み込まれ、実運用を開始しているといい、これを構成する技術は同社が目指す高性能・高信頼ネットワークの中核となるもの。

  • NTT Comにおける伝送基盤の変遷

今回構築した400Gbpsの伝送基盤は、WDM(波長分割多重)波長分割多重技術を導入した2000年と比較して約170倍の伝送容量を実現したとのこと。

中継伝送装置数の削減については、コア低損失大口径光ファイバーケーブルの採用、ケーブルルートの最短化、ケーブルの長距離敷設化などの工夫により、光損失値を同社調べで40%低減したという。

今回の光損失値の低減により光信号と電気信号を相互に変換する中継伝送装置数を半減でき、故障発生リスクを従来と比較して50%に抑制できるとしている。

災害に対する強さに関しては、全てのケーブルルートにおいて、とう道(洞道)や管路などの地下化した設備を利用すると共に、近年多発する自然災害(豪雨、地震、津波、地滑りなど)に備え、ハザードリスクを最大限考慮した最適なケーブルルートを選定するなど、災害に強い伝送基盤を実現したとのことだ。