MicrosoftはUWP(ユニバーサルWindowsプラットフォーム)アプリの市場を築くため、Microsoft Store(当時はWindowsストア)を構築し、エコシステムの醸成を目指してきた。Windows 10ユーザーなら漠然とでも知るところだろう。

ただ現状は、AppleのApp StoreやGoogle Playと比較すると芳しくない。アプリストアを充実させるには、個人・法人を問わない開発者の力が必要だが、Win32(デスクトップ)アプリ時代で多勢を極めたオンラインソフトと異なり、UWPもしくはMicrosoft Storeは開発者たちにとって魅力的なプラットフォームに見えなかったようである。いつの時代も、Microsoftは開発者に情報を開示してきた。もちろん古い非公開APIなどは多いとしても、エコシステムが重要な時代において秘密主義に傾くことはないだろう。

一方、Microsoftが米国時間2019年10月3日(日本マイクロソフトは同月17日)に発表したデュアルスクリーンのSurface Neo、Androidを搭載したSurface Duoは挑戦的なデバイスだ。期待も大きいが、革新的なユーザー体験を得るには開発者の力が欠かせない。Microsoftはデュアルスクリーンデバイス使用時のWebサイトやアプリの動作、最適なデュアルスクリーン体験の提供を望む開発者は「dualscreendev@microsoft.com」に連絡することで、早期アクセスが可能になり、2020年初頭に情報共有を開始すると公式ブログで発表した。

Microsoft VP, Windows Developer Platform, Kevin Gallo氏は、「OSごとにAPIを調整し、360度ヒンジなどを用いたデュアルスクリーン機能を活用したアプリを開発できる」と先の公式ブログで述べており、WindowsとAndroidという異なるプラットフォームに共通するモデル開発をうながしている。Web開発者に対しても、「クロスプラットフォームのデュアルスクリーン機能を活用できるよう、適切にWeb標準とAPIの構築に取り組んでいる」(Gallo氏)と、WebサイトやPWA(Progressive Web Apps)開発者への関与を求めた。

  • Surface NeoとSurface Duoの位置付け

    Surface NeoとSurface Duoの位置付け(公式ブログより抜粋)

上図に示したのはSurface NeoとSurface Duoの立ち位置だ。Androidを搭載するSurface DuoはGoogle Play、Windows 10Xを搭載するSurface NeoはUWPおよびWin32の文字が見て取れる。つまり、Surface Duoのデュアルスクリーン体験は異なるアプリを同時実行して得るものではなく、「現在のWebサイトとAndroidアプリは引き続き動作し、1つの画面で実行する」(Gallo氏)ことが確認できるだろう。

果たして、デュアルスクリーンデバイスから得られるユーザー体験は、どのようなものになるだろう。現時点では明確ではないが、その鍵を握るのはアプリ開発者やWeb開発者だ。Microsoftは早期アクセスを望んだ開発者にデバイスを提供するのか明示していないが、関心を持った開発者の方々は、上記のメールアドレスに連絡してみてはいかがだろうか。なお、Surface NeoおよびSurface Duoは、2020年のホリデーシーズン(クリスマスから年末年始)のリリースを予定している。

阿久津良和(Cactus)