満を持してAMDのハイエンドCPUが登場

AMDのハイエンド・デスクトップ向けCPUとして、ついに第3世代の「Ryzen Threadripper」が登場した。発売が開始されたのは、32コア/64スレッドの「3970X」と24コア/48スレッドの「3960X」の2モデル。同社が「競合と比べて最大90%高速」と、性能の高さをアピールする自信作だ。価格は、257,000円前後と181,500円前後。

  • Ryzen ThreadripperとCore Xがほぼ同時に発売に

    AMDからハイエンドCPUが一挙に登場。注目が高く、問い合わせも多いとか

  • 「Ryzen Threadripper 3970X」のパッケージ。クーラーは付属しない

3970Xのコア数は第2世代の2990WXから変わらないが、クロックは3.0/4.2GHzから3.7/4.5GHzへと高速化。同時に、PCI Expressのバージョンも、3.0から4.0へと進化している。スペックや性能などについては、いつものように大原氏のベンチマーク記事が詳しいので、そちらを参照して欲しい。

Core i9-10980XE vs Ryzen Threadripper 3970X 一騎打ち【暫定レビュー】
https://news.mynavi.jp/article/20191125-928397/

注意して欲しいのは、ソケットが新しいsTRX4へと変更されたこと。そのため、3970X/3960Xを使う場合には、新型のTRX40チップセットを搭載するマザーボードが必須となる。また、TDPは250Wから280Wへとやや増えたので、冷却もしっかりしたいところだ。

そして、第3世代Ryzenの最上位モデルとして、16コア/32スレッドの「Ryzen 9 3950X」が同時に発売された。すでに発売済みの3900Xは12コアだったので、16コアを待っていた人も多いだろう。発売日の11月30日には朝から行列ができて、事前の整理券で完売となったショップが多かった模様だ。価格は99,000円前後。

  • こちらも待望の「Ryzen 9 3950X」。クーラーは同梱しないため、箱は小さい

  • ソケットはもちろん従来と同じAM4。TDPは105Wで、3900Xから変更は無い

新型Core Xがひっそりとデビュー

Intelの新世代Core X(Cascade Lake-X)がようやく登場、発売が開始された。今回入荷したのは、最上位の18コア/36スレッドモデル「Core i9-10980XE」と、10コア/20スレッドの「同 10900X」。価格はそれぞれ、138,000円前後と86,000円前後だ。前世代の「9980XE」が252,000円前後で登場していたのに比べると、かなり安くなっている。

  • Intelの「Core i9-10980XE」。型番は9000番台からついに10000番台へ

  • こちらは「i9-10900X」。両モデルとも、CPUクーラーは付属しない

先行して、すでに各社から対応する新型X299マザーボードが発売されており、CPUの登場が待たれていた。ただ、入荷数が極めて少なかったためか、発売の事前告知は無し。11月29日16時に、ひっそりとしたデビューとなった。

10980XEのコア数は9980XEと同じで、TDPも165Wが維持されている。強化されたのは主にPCI Expressのレーン数で、44レーンから48レーンへと変更。そのほかメモリもDDR4-2666/128GBからDDR4-2933/256GBへと、性能向上が図られている。

豪華仕様のTRX40搭載マザーが一斉発売

第3世代Ryzen Threadripperに対応するTRX40チップセット搭載マザーボードが、各社より発売となっている。今回入荷が確認できたのは以下の9モデル。基板サイズの大きい製品が多いのでPCケースの選択には要注意だが、クリエイターやゲーマー向けに超強力なマシンの構築が可能だろう。

メーカー 製品名 サイズ 価格
ASUS ROG Zenith II Extreme E-ATX 92000円前後
ASUS Prime TRX40-Pro ATX 61000円前後
GIGABYTE TRX40 Designare XL-ATX 92500円前後
GIGABYTE TRX40 Aorus Master E-ATX 73500円前後
GIGABYTE TRX40 Aorus Pro WiFi ATX 59000円前後
MSI Creator TRX40 E-ATX 88000円前後
MSI TRX40 Pro WiFi ATX 57000円前後
ASRock TRX40 Taichi ATX 70000円前後
ASRock TRX40 Creator ATX 64500円前後
  • ASUSの「ROG Zenith II Extreme」。10GbEやDIMM.2などを搭載

  • 下位モデルは「Prime TRX40-Pro」が登場。ATXで使いやすい

  • GIGABYTEの「TRX40 Designare」。XL-ATXと大きい点には注意

  • Thunderbolt 3やM.2スロットを拡張できるカードが付属する

  • MSIの「Creator TRX40」。M.2×4スロットの拡張カードが付属

  • ASRockからは、コスパに優れる「TRX40 Taichi」が発売された