Microsoftのメールサービス「Outlook.com」がPWA (Progressive Web App)に対応した。PWAをサポートするブラウザとの組み合わせで、ネイティブアプリを思わせる速度と操作体験でWeb版のOutlookを使用できる。

PWAは、Web標準技術で構築されるWebアプリである。簡単かつクロスプラットフォームで使用できる従来のWebアプリのメリットはそのままに、高速で軽快な動作、プッシュ通知やバックグラウンド処理といったネイティブアプリの長所を兼ね備えたWebアプリを実現しようとしている。

主要ブラウザはいずれもPWAのサポートに乗り出しているが、進度にばらつきがある。PWAが目指す操作性を体験できるのは、PWAの普及を主導するGoogleのChromeおよびChromiumを採用したブラウザだ。例えば、Chromiumベースで現在ベータ版が公開されている次期Microsoft Edge (2020年1月15日に正式版リリース予定)では、Outlook.comにアクセスすると、右上隅の[...]をクリックして表示されるドロップダウンメニューに「アプリ」が現れ、「このサイトをアプリとしてインストール」を選択できる。インストール後のOutlook.comのPWAアプリは、ブラウザから独立したウィンドウでレスポンス良く動作する。PWAアプリはネイティブアプリと同じようにWindows 10に登録され、タスクバーやスタートに登録して直接アクセスすることが可能。削除もネイティブアプリと同様のアンインストールで行える。

  • PWAアプリのインストール

    Microsoft Edge (ベータ版)でOutlook.comをインストール

  • Outlook.comのPWAアプリ

    インストールされたOutlook.comのPWAアプリは独立したウィンドウで反応よく動作

Microsoftは現在Edge Insiderのカナリー版であるバージョン80.0.344.0でWindowsシェルとPWAの統合を向上させるなど、ChromiumベースのEdgeの開発においてPWAサポートを強化している。Windows 10以外のプラットフォームでも、macOSでChromeやChromiumベースのBraveを使うと、Outlook.comにアクセスした際にPWAアプリをインストールでき、アプリのアイコンをDockに登録して直接アクセスといったことが可能になる。またPWA化による速度やレスポンスの向上は、Outlook.comを使う全ての環境において使用体験を向上させる。