実際の操作感ですが、親指ホイールはMX MASTER 3のほうが少し重たくなっています。親指ホイールを大きくしたぶん、誤操作を避けるため、また細やかな操作をしやすくするために、少し重たくしているのだと思われます。
進むボタン、戻るボタンの操作性は明らかにMX MASTER 3のほうが上。MX MASTER 3は指を下にずらせば両ボタンを迷わず押せますが、MX MASTER 2Sはよほど慣れないかぎり手探りでどちらのボタンなのか確認が必要です。
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上がMX MASTER 3、下がMX MASTER 2S。デザイン的にはMX MASTER 2Sのほうがスマートですが、MX MASTER 3は親指ホイールを大きくし、進むボタン、戻るボタンを分離することで、操作性を向上させました
多くの人が歓迎するであろう変更点が、充電端子にUSB Type-Cを採用したこと。ロジクールは2017年6月に新型マウスとしてMX MASTER 2S、2017年9月に新型キーボードとして「CRAFT」をリリースしましたが、発売日がわずか3カ月しか違わないのに、なぜかMX MASTER 2SにはmicroUSB端子、CRAFTにはUSB Type-C端子が採用されていました。MX MASTER 3を導入すれば、microUSB端子を搭載する手持ちデバイスをひとつ引退させられるわけです。
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フル充電で70日、1分の充電で3時間利用できるMX MASTER 3はひんぱんに充電する必要はありません。それでも裏表気にせず挿せるUSB Type-C端子が採用されたことで、利用時のストレスを確実に減らしてくれます
アプリごとに自動で固有の操作が割り当て
ソフトウェア的な大きな変更点が、利用するアプリケーションごとに異なるプロファイル(設定ファイル)を指定できるようになったこと。実はMX MASTER 2Sなどの従来モデルでもアプリごとにプロファイルを設定できますが、MX MASTER 3のみアプリの固有機能を割り当て可能になっています。アプリごとにきめ細かく操作したいのであれば、MX MASTER 3に移行せざるを得ません。
1万円オーバーだけど、それに見合う満足度が得られるはず!
MX MASTER 3は本体左側にジェスチャーボタンが配置されているぶん、少し大きめ。バッグのなかでは少々かさばるので、携帯用というよりオフィスや自宅用の据え置きマウスだと思います。ただ少し大きめだからこそ、操作性ありきで設計されており、今回の新モデルではさらに使い勝手を向上させるためにホイールやボタンの大きさ、配置が改善されました。
最新の多機能マウスは作業効率を確実に向上させます。個人的にはマウスの費用対効果はPCパーツのなかで最も高いと考えています。1,000円を切るワイヤレスマウスが発売されているなか1万円オーバーのMX MASTER 3はたしかに高価です。しかし、それに見合うだけの満足度は得られるはずです。