富士通クラウドテクノロジーズは8月29日、AI(人工知能)活用を検討している企業向けに、同社のデータサイエンティストが生データを質的・量的に分析し、AI活用の実現可能性を評価するサービスである「データアセスメントレポート」を提供開始した。価格は一式100万円(税別)。なお、2019年9月末までに申し込んだユーザーには、キャンペーン価格として一式80万円(同)で提供する。

  • サービス提供範囲とレポート内容

新サービスは、既存のデータを用いたAI予測モデル開発の実現可能性を評価する、AI活用の事前診断サービス。

AI活用は一般的に、データアセスメント、データの前処理、モデル開発、システム実装、運用開始という段階を踏んで進めるといい、同サービスは、その第1段階となるデータアセスメントの部分を切り出して提供するもの。

扱うデータは、構造化データ(売上データ、センサーデータなど)と非構造化データ(テキスト、音声、画像など)の双方に対応する。

データ分析の専門スキルを持つ同社のデータサイエンティストが、ユーザーが提供する生データを質と量の観点から分析し、ユーザーのAI活用目的に合わせて予測モデル開発に最適なアルゴリズムの選択肢を提案するとしている。

なお、ここでいう生データとは、集計や編集などをしていない、最初に記録した状態のままのデータを指す。

  • AI活用におけるデータの3大課題

AI活用はデータを学習プログラムに投入すれば実現できるものではなく、扱うデータがAIに適した形になっているかどうかが鍵になるという。しかし、同社に相談するユーザーの中には、AI活用プロジェクトを立ち上げたものの、データの準備不足でプロジェクトが推進できなくなるというケースが少なくないとのこと。

具体的な課題として同社は、データが整理できていない、汚い、足りないという3点を挙げる。

同サービスでは、診断を実施し、評価結果と今後に向けたアドバイスをレポートにまとめて提供する。

診断内容として同社は、データベース定義書の診断、データの量の診断(全体レコード数、欠損・重複レコード数)、データの質の診断(データの型、表記ゆれ、欠損割合)、AIモデル開発手法の選択肢1~3個の提示(手法、特徴)の4点を挙げている。