既存サービスもアップデート

発表会では、既存サービスのアップデートも発表されました。

月額情報料499円の「auスマートパスプレミアム」は2019年11月以降、映像・音楽・書籍サービスなどのデジタルコンテンツや、ライブチケットの先行予約などの特典が大幅に拡充されます。例えば、最新のJ-POPから懐かしの名曲まで、さまざまなプレイリストが聴き放題になります。また、ファション誌や週刊誌を含む雑誌約30誌が毎日読み放題になります。DCコミックスの映画作品の独占配信を含む話題の映画・ドラマ・アニメが見放題になる特典も用意。2020年3月以降は、XRや4K映像、スマートデバイスを活用した、臨場感が味わえるデジタルコンテンツの提供が予定されています。

  • auスマートパスプレミアムは、料金そのままで“エンタメ楽しみ放題”サービスに進化する

「au PAY」と「au WALLET プリペイドカード」が8月29日よりキャリアフリー化するのも注目です。これにより、auユーザーでなくても200円につき1ポイントのau WALLETポイントを貯めることが可能になります。高橋社長は「au PAYを、つながり続ける5G時代にもイチバン安心して使えるペイサービスにしていきたい。我々のサービスは徐々にオープン化していきます」と説明しました。

高杉くんらが新CMを披露

このあと壇上では、テレビCM「意識高すぎ!高杉くん」シリーズでおなじみの神木隆之介さん(高杉くん)、松本穂香さん(松本さん)、中川大志さん(細杉くん)が登場。au WALLETポイントの新CM「カラオケ」篇を披露したあとにトークセッションを行いました。

  • auのCMでおなじみの3人が登壇。中川大志さん(細杉くん)が巻き舌で「au WALLETポイント」の発音を披露するすべり芸で会場を盛り上げました

楽天参入のインパクトは?

質疑応答では、記者団から寄せられた質問に高橋社長、KDDIコンシューマ事業本部の長谷川渡氏、KDDIライフデザイン本部の繁田光平氏が回答しました。

楽天が9月上旬に料金プランの詳細を発表するといわれているなか、なぜこのタイミングで新料金プランを発表したのか、という質問に高橋社長は「5G時代への意気込みを示すために、まず他社に先駆けてau UNLIMITED WORLDの世界観を示したかった。そこでUNLIMITEDにNetflixが視聴できるプランを、アグレッシブな料金設定で発表しました。そのあとで、楽天さんが料金プランを発表されることになった。我々として、対抗しなければならないと判断したときは、対抗料金をしっかり出していきます」と回答しました。

  • 記者団の質問に回答する(左から)KDDIコンシューマ事業本部の長谷川渡氏、高橋社長、KDDIライフデザイン本部の繁田光平氏

テザリング・データシェア・世界データ定額を利用した場合の上限を2GB / 月と定めたことについて、高橋社長は「スマートフォンでサービスを利用することにこだわっています。金融もスマートフォン向けにシフトしました。一方で、テザリングはすごく便利な機能ですが、利用動向からすると全体の2割程度のユーザーさんしか使っていない。全体のバランスを鑑みて、今回はスマートフォンでお使いいただけるUNLIMITEDな新料金プランとして発表しました」と回答。

長谷川氏は「世界データ定額も、この2GBからお使いいただく設計です。世界データ定額を使っていただいているユーザーは全体の数%と、トータルで見ると少ない割合です。今回、より多くの方に4,000円台で料金プランを提供したかったので、こうしたバランスになりました」としました。

10月よりMNO事業に参入する楽天については、基地局建設の遅れが指摘されています。当初の予想よりスモールスタートになりそうな件についてコメントを求められると、高橋社長は「競争は良いことだと思っています。新しい人たちが新しい技術で新しいビジネスモデルで入ってこられることが刺激になる。KDDIは、デジタルトランスフォーメーションを起こす会社。彼らのことを警戒することで、新しいアイデアも出てきます。

楽天さんは今、本当に努力して拡張しておられることと思います。楽天さんがよくおっしゃられているネットワークの仮想化は、我々も頑張っているところ。ただ、基地局の数はそうしたものでは測れません。我々は全国に何十万カ所と基地局を作ってきた。これをピカピカにすることが新規参入者との大きな差別化になる、と社内でも檄を飛ばしております。せっかく新しい事業者が参入するので、自分たちも気を引き締めていきたいと思っています」。

KDDIでは総務省の要請に応えるため、新料金プラン「auデータMAXプラン Netflixパック」を「2年契約N」の対象プランとしました。2年契約Nでは、2年以内に契約を解除した場合の違約金を1,000円とし、2年契約による割引きを170円としています。ユーザーが解約しやすいプランを提供することに不安はないのか、と問われると高橋社長は「契約を解除しやすい反面、他のキャリアさんからKDDIにも来やすくなる。その両面があるんですね。これから楽天さんも入ってこられるので、ユーザーを確保していかないといけない。IDの数も大事ですが、エンゲージメントも大事だと言い続けてきた。そういった意味では、Netflixさんとのプランでエンゲージメントを上げている」と説明しました。