ソフトバンクの子会社であるSBペイメントサービス(SBPS)が8月21日に発表した、ECサイトにおける決済手段の利用実態に関するアンケート調査結果によると、ECサイトが利用したい決済手段に対応していない場合、50%以上のユーザーが購入しないという。

  • よく利用する支払方法が無い場合はどうするか

同調査は同社が2018年12月1日から10日にかけて、1年以内に物販サイトで何らかの商品を購入した10代から80代の全国の男女1986人と、1年以内にデジタルコンテンツを購入した10代から80代の全国の男女1173人を対象に実施したもの。

ユーザーがECサイトで最も利用する決済手段は、物販サイトとデジタルコンテンツサイトのいずれにおいてもクレジットカード決済が約80%と最多であり、コンビニ決済がこれに続く。

  • 最もよく利用する支払方法

物販サイトで最も利用する決済手段のアンケート結果を男女別に見ると、クレジットカード決済とコンビニ決済の割合が大きいのは男女共通だが、代引きと後払いで男女に違いが見られた。

男性が代引きを選択する割合は3.6%と女性よりも1.6ポイント多く、女性が後払いを選択する割合は3.1%と男性よりも2.0ポイント多かった。

物販サイトで最もよく利用する支払方法を性別・世代別に見たところ、10代と20代のクレジットカード決済利用率が他の世代と比べて低い。特に若年層のユーザーをターゲットとする場合は、クレジットカード決済以外の決済手段を用意する必要があると同社は提言する。

  • 物販サイトで最もよく利用する支払方法(性別・世代別)

デジタルコンテンツサイトで最も利用する決済手段では、クレジットカード決済とコンビニ決済、キャリア決済の順は男女共通だが、女性はコンビニ決済が10.4%、キャリア決済が5.7%と男性に比べて多い。 女性ユーザーの獲得による売上拡大を狙う場合は、コンビニ決済やキャリア決済の導入検討も重要になると同社は指摘する。

  • デジタルコンテンツサイトで最もよく利用する支払方法(性別)

世代別では、10代は他の年代に比べクレジットカード決済の利用率が大幅に低く、代わりにコンビニ決済が高い。さらに10代男性では、約10%がプリペイドカード決済を利用している。

ECサイトでユーザーが最も利用する決済手段に対応していない場合、同様または類似商品を他のECサイトでも多く扱っている物販サイトでは62.5%のユーザーが購入しないという結果になった。

物販サイトに比べると独自の商品やサービスが多いデジタルコンテンツにおいても、51.5%のユーザーが購入していない。

いずれのユーザーもそのサイトでの購入を止め、希望する決済手段が利用できる他のECサイトで同じ商品やサービスを検索し、購入する傾向が見られる。

これらの結果から、ユーザーの購入率を向上するためには、自社ECサイトのターゲット層をよく理解し、必要な決済手段を見極め、適切な決済手段を導入することがポイントになると同社は指摘している。