ふと気がつくとスマートフォンが熱くなり、何をしても反応がない……という経験はありませんか? それはいわゆる「暴走」かもしれません。暴走自体は大きな問題ではありませんが、誤った対応をすると故障につながりかねないため、万一に備え対策は知っておくべきでしょう。

スマートフォンにかぎらず、パソコンなど高度な処理を行うデジタル機器には人間の頭脳に相当する中央演算装置(CPU)が搭載され、オペレーションシステム(OS)の管理のもとアプリを処理します。アプリに設計上の問題があったとしても、OSには異常を検知したアプリを強制終了させる機構が用意されているため、通常は問題になりません。

しかし、OSになんらかの不具合が隠れていてそれを呼び起こすようなアプリが実行された場合、あるいはハードウェアに問題が生じて制御できなくなった場合、OSはシステムのコントロールを失い一種の無限ループに陥ることがあります。

それが暴走の典型パターンで、なにか操作しても反応がなくなります。解のない問いについて考え込んでしまい他の処理に手が回らなくなる状態、とでも表現すればいいでしょうか。その場合、リセット/電源オフしないかぎり、バッテリーがなくなるまで暴走状態が続きます。

暴走を見分けるもうひとつの方法は「熱」です。なにかの処理の際にCPUは必ず熱を発しますが、ボディに熱を伝えるなど放熱機構により冷まされ、処理を続けても一定の温度に保たれます。しかし、処理がループ状態に陥ってしまうと、放熱機構が追いつかないほど発熱してしまい、結果としてスマートフォンはふだん以上に熱を持ちます。つまり、触れても反応がなく異常に発熱している場合、暴走が疑われます。

スマートフォンが暴走した場合、冷蔵庫に入れたり氷や保冷剤をあてがったりしてはいけません。無理に冷却すると、内部で結露してしまい、故障の原因になることがあるからです。暴走状態と判断したら、慌てず電源オフ/再起動しましょう。

  • スマートフォンが暴走したみたいです!?

    「暴走」と判断しても、無理に冷やしてはいけません