6月18日(米国時間)、Ubuntuの開発者メーリングリストに投函されたメール「i386 architecture will be dropped starting with eoan (Ubuntu 19.10)」が、次のUbuntuリリースとなる「Ubuntu 19.10」からリリースアーキテクチャとしてi386版の提供を終了すると伝えた。
もともと次の長期サポートバージョンとなる「Ubuntu 20.04 LTS」にはi386版が含まれない可能性が高いことが指摘されていた。今回、今後の方針を発表する時期となり、予定通りにi386版の提供中止が発表されたことになる。
これは、今後新しいアップストリームバージョンのライブラリに32ビット版ビルドが含まれないことを意味している。こうした発表を受けて、Wineの開発者が「Ubuntu 19.10 will be 64 bit only」において議論を活発化させている。
WineはLinuxでWindowsアプリケーションを動作させるためのレイヤ技術。Windowsアプリケーションの多くは32ビット版のコンポーネントやインストーラを使っており、純粋に64ビット版のみといった構成になっていないことが多い。このため、Ubuntuが64ビット版のみの提供になった場合、動作しなくなるWindowsアプリケーションが増えることが予想されている。
Linuxディストリビューションは以前から32ビット版サポートを終了し、64ビット版のみをサポートする動きを見せている。Wineの開発者たちもそうした動きを認識しており、これまで今後どのように対応していくか議論してきた。今回、特に人気の高いLinuxディストリビューションが64ビット版のみへ舵を切ったことを受けて、再び議論が活発化している。
64ビット版のLinuxディストリビューションで32ビット版を動作させる方法はいくつかあり、今度どのような方式が採用されるのか注目される。