サードウェーブは5月に、都内にて大学生との座談会を開催。3つの大学LoLサークルに所属する6名から意見を聞きました。ここで得られたフィードバックがゲーミングノートPCの新製品に反映される予定です。

  • 座談会のメンバー、左はeスポーツキャスターの平岩康佑氏。今回のファシリテーターを務める。中央6名が大学LoLサークルのメンバー、右はサードウェーブ コンシューマ マーケティング本部 部長の升淳氏とサードウェーブ モバイル本部 ノート部 部長の西村祐典氏

日本でも盛り上がりを見せるLeague of Legends

LoL(League of Legendsというゲームの略称)はRiot Gamesが開発するマルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ(MOBA)型のゲームです。基本プレイは無料で、稼働開始が2009年とゲームタイトルとしてはかなり古く、現在は日本語化/日本サーバーもある人気ゲームタイトルとなっています。

いわゆるeスポーツタイトルとしても認知されています。日本でもLJL(League of Legends Japan League)というプロチームによるトーナメント戦が開催されており、現在はオンライン観戦だけでなく、会場で観戦できる「全試合オフライン対戦」も行われ、日本のeスポーツ市場で最も進んだ興業といえるでしょう。

  • eスポーツも決勝は華々しいステージで戦われます。写真は4月13日に行われたLJL 2019 Spring決勝でタイトルを獲得したDetonatioN FocusMeと会場を埋め尽くすファン

  • 優勝トロフィーを前に記念撮影のファンサービスやファンミーティングも行われており、この辺りはプロチームならでは

プロリーグがある以上、次世代のプロ選手を担う「プロ予備軍」も必要です。日本ではアマチュアチームのトーナメントとしては、ロジクールG CUPや、LJLの2部リーグとして「LJL CS」というトーナメントもありました。

  • 日本のアマチュアカップでは歴史の深いLogicool G CUPでもLoLがタイトルとして選出されています。写真は2018年の優勝チーム「山」

  • アマチュア活動の波は高校生にも。写真は第1回全国高校eスポーツ選手権のLoL部門優勝チーム東京学芸大学附属 国際中等教育学校「ISS GAMING」で、中心メンバーのFlaw選手はLJL出場チームの練習生です

また、LoLの日本の学生向けコンテンツが「LeagueU」です。学生日本一を決めるJCC(League of Legends Japan Collegiate Championship)の無制限クラス優勝チームは国際大会出場権が与えられます。

大学のゲームサークルと言っても、たとえば東京大学LoLサークルは、メンバーが100名を超えます。LJLでは現役東大生(現在休学中)の「uinyan選手」がLJLで活躍中です。

サードウェーブでは、2018年から「新歓LoLフェス」の会場として池袋LFSを使用しています。さらに毎日新聞と共同で「全国高校eスポーツ選手権」を開催しており、ここでも競技タイトルとしてLoLを採用しています。

スペックを抑えて安価に。学校での利用を考慮してデザインはシンプルに

LoLは歴史あるタイトルなので、プレイに必要なPCスペックはそれほど高くありません。推奨動作環境は「3GHz駆動のデュアルコアCPU、メモリ4GB、空ストレージ16GB」で、イマドキのPCなら十分クリアできるレベルです。グラフィックスも「NVIDIA GeForce 8600M GT または ATI Radeon HD 2600以上」と古い世代のものでも動きます。

  • 今回の座談会はGALLERIAのゲーミングノートPC開発に学生の声を反映させようという趣旨です

  • ファシリテーターを勤めるeスポーツキャスターの平岩氏

  • 奥側の6名がLoL学生サークルのメンバーです

学生からの要求は「手が出ないほどの価格ではなく、スペックはある程度絞り込んで欲しい」というものでした。価格に関しては、大学に入ると勧められる「生協PC」が目安になるようで「17万円ではムリで、できれば15万円ぐらいまで。13万円ぐらいなら購入を十分検討できる」と具体的な数字も挙げられました。

また、ゲーム専用PCとせず普段も使いたいようで、「教科書などもあるので、全体として軽くないとダメ」「教室で悪目立ちしないこと」という意見が出ました。

参加者の中にはゲーミングノートPCの特別版を持っている方がいらっしゃいましたが、天板にゲームキャラクターが「カッコよく」書かれているので授業中に使うのにやや支障があると言います。

イルミネーションに関しては「カッコよさが必要なのでイルミネーション機能は必須」ということを以前メーカーの方にうかがっていましたが、大学生になると考えも変わるようで「使っているキーボードが赤く光るが、画面に集中するためには消したい」「普段は(蛍光灯と同じく)白設定で使っている」「安くなるならイルミネーションがなくても構わない」とおおむね不要というコメントがありました。

ここまでの要求は、サードウェーブもある程度予測していたようで、開発中の14型製品を見せてコメントしてもらっていました。この試作PCは十分LoLが動くスペック(CPU:Intel i5-8265U、GPU:NVIDIA MX250。他のスペックは現在検討中)で価格も13万円を切る目標で作っているということ。即決とは言わないまでもかなりの高評価でした。

  • 14型の軽量薄型ゲーミングノートPCの試作機。試作ゆえにキーボードが英語配列です

  • 平岩氏も持ってみて、結構軽いとコメント

実際にゲームプレイをしてみた参加者からはゲーマーならではの注文もありました。その1つがタッチパッドです。LoLでキー操作をする左手をパームレストに乗せた際に、タッチパッドと段差が出来るのはよくないというコメントが出てきました。確かにフィールを考えた場合は問題になりそうです。

  • 実際にLoLをプレイしてみても、速度には不満もないようです

  • 「タッチパッドの段差が気になる」という意見も。位置をずらす、段差をなくすという配慮が必要になるかもしれません

また、マウスだけでなくキーボードも本当は専用のものを使いたい。その際に画面と外部キーボードの距離を近づけるため、2-in-1パソコンのように本体がディスプレイの奥になるようにできれば、外部キーボードの距離を近づけられるというアイディアも出ていました。

また、ゲームの画面以外にサブディスプレイが欲しいという声も飛び出しました。ゲーミング用途でもマルチディスプレイを使う人はそれなりにいます。

  • 学生があらかじめ用意していた企画案。サブディスプレイが欲しいというもの

今回開発中の製品は、高スペックを要求するゲーム向けではありませんが、一方でミドルクラスのゲームにも対応する「ゲーミング入門者ノートPC」としてはこなれた価格と携帯しやすさ、普段使いにも向くデザインが好印象です。

ゲーミングPCはスペック重視になってしまいますが、遊びたいタイトルによっては最上位クラスでなくても快適に遊べます。今回のコメントはかなりわかっている方の意見で「玄人好み」という印象を受けました。