SBアットワークは5月20日、クオレ・シー・キューブと共同で、統計解析やAI(人工知能)を用いて企業などにおけるパワーハラスメントの発生リスクを予測するサービス「Wellness Eye Plus(ウェルネスアイ プラス)」を、東京大学大学院 医学系研究科 精神保健学分野の川上 憲人教授の監修の下で開発したと発表した。同サービスは、2020年前半からSBアットワークが販売を予定し、予測精度の検証・向上やサービス仕様の検討などを目的に試験的に利用する協力企業・団体を、同日から募集する。

新サービスは、選択形式の質問への回答から回答者のメンタルコンディションと所属する組織のコンディションを可視化できるSBアットワークのストレスチェックシステム「Wellness Eye」と併せて専用のWEBサイト上で利用できるサービス。

Wellness Eyeにおける質問項目に、組織の風土や上司のマネジメントスタイルなどに関する質問を17問追加し、その回答内容などからパワーハラスメントの発生リスクを予測する。新サービスを活用することで、労働安全衛生法で年に1回以上の実施が義務付けられているストレスチェックの結果と併せてパワーハラスメントの発生リスクの把握ができるため、企業などはパワーハラスメントの対策も含めて職場の環境改善に取り組むことが可能になるという。

新サービスの開発にあたり、SBアットワークとクオレ・シー・キューブは川上教授との共同研究により、統計解析やAIを用いた6つのパワーハラスメント発生リスク予測モデルを作成し、企業2社における合計539組織に、2018年に試験導入(質問への回答者は7006人)した。

この試験においては、パワーハラスメントの発生状況についてのアンケートも併せて実施し、実態と予測結果の相関性を確認することができ、今回は幅広い業種の企業や団体にこのサービスを試験的に利用してもらい、商用サービスで採用する予測モデルを決定する。

なお、新サービスの試験利用の申込期限は6月14日、応募多数の場合は規模・業種の偏りなどを考慮して協力企業・団体を選定(募集期間は変更となる可能性があり、変更となる場合はSBアットワークのウェブサイトなどで告知)し、実施期間は2019年8月~11月まで。

実施概要は、Wellness Eyeによるストレスチェックと併せて、パワーハラスメントおよびセクシュアルハラスメントの発生状況に関する質問、パワーハラスメント発生予測のための質問(上司のリーダーシップ・組織風土など)となり、費用はWellness Eye Plusについて利用料金は不要だが、同時に利用するWellness Eyeの利用料金は必要(Wellness Eyeを導入済みの企業・団体には追加費用は不要)。募集条件は、Wellness Eye Plusの回答対象者が50人以上の企業・団体、実証実験は原則WEB(PC・スマートフォン・タブレット)実施のみの対応となる。