ワコムは、 筆圧対応デジタルペン「Wacom Pro Pen 2」シリーズの新製品として、「Wacom Pro Pen slim」を2019年2月に発売しました。これで同シリーズには、「Wacom Pro Pen slim」「Wacom Pro Pen 2」「Wacom Pro Pen 3D」と、メインストリームのデジタルペンが3本揃ったことになるのですが、3本もあると一体どれを買えばいいのか悩むところでもあります。

そこで今回、イラストレーターのユザワエミコ氏がWacom Pro Pen slim、Wacom Pro Pen 2、Wacom Pro Pen 3Dの3製品を使ってイラストを描き比べ。それぞれの使い心地やどういう用途に向くか、感想を聞いてみました。

  • Wacom Pro Pen slim、Wacom Pro Pen 2、Wacom Pro Pen 3Dの3本を描き比べ! 使用した機材は、2019年1月に発売されたばかりの15.6型液晶タブレット「Wacom Cintiq 16」

  • ワコム,デジタルペン,Wacom Pro Pen slim,Wacom Pro Pen 2,Wacom Pro Pen 3D

    今回“描き比べ”をしたワコム製デジタルペンたち。上から順に、一番細いWacom Pro Pen slim、ボタン数が2つのWacom Pro Pen 2、ボタン数が3つのWacom Pro Pen 3D

Wacom Pro Pen slimは「鉛筆で描いている感じ」

今回、デジタルペンの“描き比べ”に協力してもらったユザワエミコ氏は、書籍や雑貨、企業のイラストをはじめ、新聞小説の挿絵などでも活躍するイラストレーター。ポップなくっきりしたタッチや繊細で、あたたかみのあるタッチが得意です。普段はデジタル作画が多いものの、7~8年年ほど前まではアナログ作画がメインで、いまでも仕事用のイラストは鉛筆で下描きしてからPCへ取り込み、デジタル作業で仕上げることが多いそうです。

  • デジタルペンを描き比べるユザワエミコ氏。使用ソフトはAdobe Photoshop

そんなユザワエミコ氏に試して頂いたのは、直径9.5mmという細身デザインが特長の新製品、Wacom Pro Pen slimと、スタンダードタイプのWacom Pro Pen 2、そして3D制作に適したWacom Pro Pen 3Dの3製品。いずれも「Wacom Intuos Pro」など同社製タブレットなどで使用でき、8,192レベルの筆圧検知に対応しています。

  Wacom Pro Pen slim Wacom Pro Pen 2 Wacom Pro Pen 3D
直径 直径9.5mm(最大11mm) 直径11.9mm(最大15mm) 直径11.3mm(最大14.3mm)
重さ 12g 実測15g 実測16g
筆圧検知 いずれも8,192レベル
ボタン数 2 2 3
直販価格(税込) 9,720円 9,720円 11,880円

イラストを描くのに用いた機材は、2019年1月に発売した15.6型液晶タブレット「Wacom Cintiq 16」。これは、絵のプロを“目指す人”向けの入門機で、現行のワコム製品としては最も新しいタブレット製品。プロ向けの上位製品である「Cintiq Pro 16」から8,192段階の筆圧検知や最高0.005mmの読み取り分解能などを継承しつつ、一方で高解像度やタッチ機能、液タブのペン先と画面上のタッチポイントの視差を軽減する「ダイレクトボンディング」などは非搭載。そのぶん価格を税込73,224円に抑え、入門ユーザーが手に入れやすい製品となっています。

  • Wacom Pro Pen slimは細くて持ちやすいだけでなく「ペン先が見やすく細かい部分が描きやすい」という

ユザワエミコ氏はWacom Pro Pen slimを手に取り、「Wacom Cintiq 16」のディスプレイ上にイラストを描き始めると、開口一番「すごく細くて、本当に鉛筆で描いているみたいですね!」とコメント。普段は少し太めのデジタルペンを使っているとのことで、Wacom Pro Pen slimは第一印象でその細さに驚いたとのことでした。

ちなみに実際の鉛筆のJIS規格では軸径が8.0mm以下と定義され、例えば三菱鉛筆が7.2mm、トンボ鉛筆は7.7±0.2mm。Wacom Pro Pen slimは直径9.5mm(最大部11mm)で鉛筆より少し太いももの、従来製品のWacom Pro Pen 2の11.9mm(最大部15mm)や、Wacom Pro Pen 3Dの11.3mm(最大部14.3mm)と比べるとかなり細いです。