いまや、スマートフォンやデジタルカメラでも高画質な映像が撮れる時代。また個人が動画を配信することも珍しくなくなりました。そんな環境が後押しし、近年では「動画を快適に編集できるPC」の関心が高まっているようです。

渋谷ストリームホールで15日と16日に開催された「映像に、新しいキャリアと可能性を。」をテーマにした展示会「VIDEOGRAPHERS TOKYO」でも、マウスコンピューターが提供するクリエイター向けPCなどに注目が集まっていました。

  • カメラ、動画編集PC、ディスプレイなどの最新製品の展示会「VIDEOGRAPHERS TOKYO」が4月15日、16日に渋谷ストリームホールで開催

マウスコンピューターは「DAIV」シリーズを展示

「VIDEOGRAPHERS TOKYO」は映像関係者、映像作家、ビデオグラファー、動画に関心のある消費者を対象とした複合型イベント。マウスコンピューターは、クリエイター向けブランド「DAIV(ダイブ)」シリーズのノートPCとデスクトップPCを展示しました。

  • 携帯性と性能を両立した15.6型の「DAIV-NG5510シリーズ」。エントリークラスながら、4K映像も問題なく編集できる。参考価格は149,800円(税別、以下同)

  • 搭載のハイパフォーマンスな15.6型「DAIV-NG5800シリーズ」は、インテルCore i7(第8世代 / 6コア)、GeForce RTX 2060(6GB)、32GBメモリを搭載。インタフェースにはThunderbolt 3も備える。参考価格は259,800円

ブースで、マーケティング本部の野原拓也氏に話を聞きました。マウスコンピューターの強みについて、野原氏はまず「コスト以上の性能の良さ」を挙げます。「普段はMacだけど、Windowsでもこれだけパフォーマンスが出るんだ、と驚く来場者も多くいらっしゃいます」と同氏。そして「24時間365日、電話対応するサポート」と「カスタマイズ性の高さ」をアピールします。

購入時にメモリやストレージの容量を細かく選べるのはもちろん、購入後でも工場に郵送すれば、メモリ増設やストレージの容量アップに対応するとの話。このあたり、国内に生産拠点を構えるメーカーならではと言えそうです。

  • 「DAIV-DGZ530シリーズ」。4K映像を4画面に出力するなどの編集作業も楽にこなせる専用グラフィックスNVIDIA GeForce RTX2080(VRAM 8GB)搭載。参考価格は289,800円

「高画質なムービー撮影に対応したカメラが増え、最近ではBlackmagic RAWが撮れるシネマ系のカメラも人気です。みなさん思い思いに動画を撮られるんですが、しかし撮ってみた後で、手持ちのPCでは重くて映像を編集できないことに気が付き、スペックの高いPCに買い換える方が増えています」(野原氏)。

クリエイターが解説する映像制作者向けPCの選び方

このあとマウスの野原氏は、映像ディレクターの伊納達也氏、映像講師の山下大輔氏とともにトークショー「映像制作者のためのPC、選び方講座」にも登壇。これから映像制作を始めるユーザーに向けて、CPU、メモリ、HDD/SSD、グラフィックボードが果たす役割について丁寧に説明していきました。

  • (左から)映像ディレクターの伊納達也氏、マウスコンピューターの野原拓也氏、映像講師の山下大輔氏

伊納氏は、5分間の映像をAdobe Premiere Proでエンコードしたときにかかった時間についてDAIVブランドのNG5510(ノートPC)、NG5800(ノートPC)、DGZ530(デスクトップPC)、DGX760(デスクトップPC)、MacbookPro 13インチ、MacbookPro 15インチの各モデルで計測した結果を公開。

MacbookPro 13インチが11分34秒でワースト、NG5800はMacbookPro 15インチよりも速い4分2秒だったことなどを報告し、改めてDAIVシリーズのコスパの良さに言及していました。

  • 動画の編集時に気になるのが、エンコード時間の長さ。5分の映像をVimeo4Kプリセットで書き出した時間を比較すると?

また、伊納氏は「DAIV-NG5800でファイルを出し入れしたら、処理速度が速くて驚きました」とコメント。上位モデルの製品ではNVMe対応の高速SSDを搭載しています。野原氏は「動画を編集するとき、CPUとグラフィックスが頑張って動画を書き出しても、ストレージの処理速度が遅かったらもったいない」として「NVMe対応のSSDを試してもらえたら」とアピールします。

これを受けて山下氏も「例えばAdobe Premiere Proでは、キャッシュの読み書きが速いほどソフトもスムースに動きます。ストレスなく動画を編集するためにもNVMe対応のSSDは有効ですね」と同意していました。

ソニーや富士フイルムもブースを出展

このほかのブースの模様も、ダイジェストでお伝えしていきましょう。ソニーのブースでは、デジタル一眼カメラαシリーズや、4K/ HDカムコーダー、アクションカメラなどを展示。ユーザーのあらゆるニーズに応える、幅広いラインナップが目をひきました。

  • 用途やスタイルに合わせた幅広いカメラ製品を取り揃えていたソニーブース

コンパクトデジタルスチルカメラサイバーショット「RX0 II」は、4月12日に発売されたばかりの新製品。W59.0×35.0×H高さ40.5mm、重さ約132gという小型ボディが特徴で、ハウジングなしで水深10mまで潜れるほか、2mの落下に耐え、また200kgfの荷重に耐える堅牢性も備えています。

  • 4K 30pの動画撮影に対応したRX0 II(85,000円前後)。液晶ディスプレイは上下方向180度、下方90度の角度調節が可能。別売りのシューティンググリップを使えばズームにも対応

ブースの担当者は「スポーツ用途だけでなく、さまざまな使い方ができます。実は若い女性にも人気です。旅行に持っていくのに良いサイズ感だし、チルト式ディスプレイがあるので自撮りも可能なんですよ。音質にこだわりを持つ人にとっては、外部入力で市販のマイクを使える点も好評です」と紹介していました。

富士フイルムのブースでは、4K 60pで動画も撮影できる「X-T3」をメインに展示。ブースの担当者は、同機で利用できるフイルムシミュレーションの「ETERNA(エテルナ)」がユーザーから高評価を得ていると紹介しました。

ETERNAとは、富士フイルムがかつて発売していたシネマ向けフィルムの名称。その色味を再現したモードを体験したユーザーからは「撮った時点で絵がある程度、出来上がっている」「あとから手を加える必要がない」といったポジティブな声が続々と寄せられているそうです。

  • 富士フイルムFUJIFILM X-T3(オープン価格。ボディのフジフイルムモール直販価格は184,500円)

ちなみにブースのX-T3にマウントされていたFUJINON Cine Lens MKX18-55mmT2.9は、もともと動画専用レンズとして開発されたもの。つまり、これ1台で商業水準の写真も動画も撮影できるわけです。

先の担当者は「プロカメラマンも使用するFUJIFILM X-T3ですが、最近は現場で、写真だけでなく動画の撮影も求められるそう。同じ機材を使えば作品の世界観を統一できますし、何より持ち運ぶ機材が減るので喜ばれています」と話していました。

  • フイルムシミュレーションの「ETERNA」で撮影したポートレート

ATOMOS、EIZOブース

ATOMOSのブースには、5.2インチHDRフォト&ビデオモニターの「SHINOBI」、5.2インチ4K対応ポータブルレコーダー「NINJA V」、レコーダー、スイッチャーを備えた7インチHDRモニターの「SHOGUN 7」などが展示されていました。

ミュージックビデオやCMの撮影、果ては映画制作など、幅広いシーンで使われているとのこと。ブースの担当者は「例えば、プロ向けのカメラジンバルであるDJI Roninで撮る場合など、カメラ背面のモニターは見づらくなります。そこで、手元の大画面で確認できる本製品が重宝されています」と説明していました。

  • ATOMOSのブースでは、5インチから19インチまでのモニター製品を展示

EIZOのブースでは、HDR表示に対応した27インチの「ColorEdge CG279X」、USB Type-Cに対応した27インチの「CS2731」といったカラーマネージメント液晶モニターを展示。

「観賞用ならHDR対応モニターはいくつか市販されていますが、制作用となると高価で数も少ないのが現状です。CG279Xは比較的お求めやすい価格ながら、経年変化でモニターの色合いが変化しても自動調整できるキャリブレーション機能も搭載しています」とブースの担当者。

なお原稿執筆時点、EIZOの公式直販サイトでは214,800円でした。またCS2731については「例えばMacBookなど、USB Type-Cで充電できるノートPCにケーブル1本で(60Wで)給電しながら利用できます。同時に映像と音声もモニターに送れます」とメリットを強調していました。

  • HDR表示に対応した27インチの「ColorEdge CG279X」

  • USB Type-Cに対応した27インチの「CS2731」