中国Mobvoiがスマートウオッチ「TicWatch」シリーズの新モデル「E2」と「S2」の国内向け発表会を開催しました。価格(税込)は「E2」が18,999円、「S2」が22,199円で、本日(3月12日)からMobvoi公式サイト、およびAmazon.co.jpで販売されます。

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    「TicWatch E2」

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    アプリ画面。バンドはシリコン製です

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    「TicWatch S2」

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  • 「E2」よりも堅牢なデザインが特徴となっています

Mobvoiは北京を本拠地とする企業で、2012年に設立されました。MobileとVoiceを組み合わせた造語を社名としており、スマートウオッチなどコンシューマ製品を中心に展開しています。Mobvoiの創業者兼CEOの李志飛(リー・ジーフェイ)氏は、Google本社で機械翻訳の開発に従事していた経緯もあり、AIや機械学習技術を活用した音声認識、自然言語の分析を得意とします。

日本のご飯のような存在に

スマートウオッチ「TicWatch」は、GoogleのWear OSを搭載するスマートウオッチシリーズ。Google Playストアから、さまざまなアプリをダウンロードし、便利な機能を追加できます。

新モデルは「E2」がエッセンシャルな構成で、「E2」をよりスポーツ指向/タフにしたものが「S2」という位置付け。ともに、日々の活動量や消費カロリー、心拍などを計測するほか、ストレージに音楽を保存しておけば、単体で音楽再生も可能です(ワイヤレスイヤホンとの接続時)。

日本で2017年に発売された初代スマートウオッチ「E」ユーザの声を分析し、「ご馳走ではなくご飯のような存在を目指したい」という考えのもと、手ごろな価格、高い信頼性、ミニマリズムデザイン、そしてスマートであることを心がけて設計しました。

「E2」は前モデル「E」と比べて、大幅な軽量化とバッテリーパワーの強化を実現。本体の厚みは「E」が12.6mmなのに対し、「E2」は12.9mmとやや増していますが、重さは41.5g(E)から35g(E2)へと軽量化しています。一方、バッテリー容量は300mAh(E)から415mAh(E2)と38%も増えていますから、バッテリー持ちも大幅に向上しました。

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    シリコンバンドを採用し、軽さが印象的でした

高い防水性能、日本の市民プールは要確認

高い防水性も備え、5気圧防水で水深50mまで対応します。フィットネスアプリ「TicMotion」に水泳モードを持たせたことにより、ストロークやラップもカウント可能なため、本格スイマーも活用できそうです。ただし、TicMotionの使用には、別アプリ「TicExercise」の最新版が必要。発売日(2019年3月12日)の時点では利用できません。Mobvoiによると、TicExercice、およびTicMotionの最新版は「近日中にリリース予定」とのことです。

プールの場合、ほかの利用者にケガをさせる危険があることから、スマートウオッチを含め時計類の持ち込みを禁止しているところもありますので、事前にWebサイトなどを確認してくださいね。

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    腕と接する面には、心拍数を測るためのセンサーが配置されています

スマートウオッチとしてのベース部分については、SoCに「Snapdragon Wear 2100」を採用するなど、2018年モデルの「Pro」および「C2」を継承しています。最新SoC「Snapdragon Wear 3100」を採用しなかった点については、「スマートウオッチとしての機能はWear 2100で十分だと認識している。今後は新しいプラットフォームを開発しつつ、成熟した現行プラットフォームでの製品開発を進めていきたい」とのことでした。

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    会場内に参考展示されていた2018年モデル「C2」

海で使える「S2」

スマートウオッチ「S2」については、「E2の兄弟製品。よりスポーツ/アウトドアで、もっと厳しいところへ行けるよう頑丈な構造にした」との言葉どおり、「E2」をよりタフにしたモデルといえます。「E2」との主な違いですが、「S2」は米軍基準(MIL規格)に準拠し、防塵性能に優れ、-30度から70度という幅広い気温にも対応します。ちなみに水深50mまでOKという高い耐水性能は「E2」も同様ですが、塩分/海水での検証はMIL規格準拠の「S2」のみ実施されているそうです。

「軽さ」に偽りなし!

発表会で短時間だけ両機に触れた印象ですが、「軽くて(バッテリーが)長もち」という点に偽りなしです。初代「E」と比較するとほんの少し厚みは増したものの、バッテリー容量は38%アップですから、中身のソフトウェアが同じだとすれば、連続使用時間もかなり延びる計算。「E2」と「S2」のスペックシートにも連続使用時間は2日とあり、同じSoCを積む2018年発売の「C2」より半日延びています。

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    24時間ずっと心拍数をモニターできるのは、大容量のバッテリーがあるからこそ

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    E2/S2の充電ドック

2モデルとも、1.39インチ/400x400ピクセルのAMOLEDディスプレイは視認性が高く、明るい場所でもよく見えます。2018年発売の「C2」が1.3インチ/360x360ピクセルだったので、画面あたりの情報量が多くなったぶん、スマートウオッチとして操作しやすくなったといえそうです。

使ってみたいと感じたのが、フィットネスアプリ「TicMotion」。歩数やカロリーをカウントする機能に加え、Mobvoi独自の"見えないAIアルゴリズム"により、装着する人の動きを24時間ずっと計測し、各アクティビティの行動分析が可能となります。スマートウオッチというより、活動量計的な役割を期待できそうです。

また、泳いでいるときの体の動きを識別し、ラップとストロークをカウントできるというTicMotionの「水泳モード」。こちらのレポートは水泳が得意な人にお任せしたいと思いますが、クロールや平泳ぎ、バタフライをしっかり区別できるのかどうか、機械学習アルゴリズムの仕上がりが気になりました。

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    TicMotionアプリに水泳モードが追加されました