Microsoftは米国時間2019年2月20日、公式ブログを通じて、新UWP(ユニバーサルWindowsプラットフォーム)アプリケーション(以下、アプリ)「Office」を一般公開したことを明らかにした。
同アプリ自体は米国時間2018年12月19日に発表済みで、既存の「My Office」を置き換える存在だ。同社は今後数週間内に順次利用可能になると説明するが、windows 10 バージョン1809のPCからの更新は筆者も未確認である。なお、以降はUWPアプリのOfficeを"アプリ版Office"と表記する。
アプリ版Officeは個人・法人向けOffice 365すべてのサブスクリプションと、Office 2019、Officeの2016、Office Onlineを対象に、アプリの起動やOneDrive、OneDrive for Business、SharePoint上で直近編集したファイルと、OneDriveで最近使用したフォルダーが列挙する。
ユーザーはWordやExcelといったアプリを経由せず、Office 365に関連した操作をアプリ版Officeから一元的に操作できるという。Microsoftが本アプリをリリースした背景には、Office 365 Webユーザーの40%以上がOffice.comにアクセスして作業を始めているとの調査結果がある。
筆者を含めた昔ながらのスタイルでPCを利用する方は、スタートメニューやタスクバーにExcelやPowerPointをピン留めし、ジャンプメニューからファイルを参照して作業を進めると思われるが、先の調査結果を踏まえれば約半数近くがWebブラウザーベースで作業を行っているようだ。
また、Microsoftは先のブログでアプリ版Officeを使う利点の1つに、「すべてのOfficeアプリを1カ所に集め、ワンクリックで切り替えられる」と語る。
この相違点に少々頭を悩ましたが、単に"OSはアプリを起動する基盤"と考える筆者に対して、多くのビジネスユーザーがOSやアプリを区別することなく、PCを"仕事を片付けるためのソリューション"とする認識の差があるのだろうと考えている。
まとめるとアプリ版Officeは、Office.comのホームページをPWA(プログレッシブWebアプリ)としてUWPアプリ化したものといえよう。Microsoftも先のブログでPWAに関する動画を掲載していることからも分かるように、今後Office.comに新機能が加わればアプリ版Officeからも利用可能になるだろう。
目的を実現するためのチャネルが多様化し、同じユーザー体験を得られるのであればオールドスタイルの筆者は何の異論もない。ただ、いまの使用スタイルよりもステップ数が減らない限り、ほかの方法を選択するつもりはないが、しばらくはアプリ版Officeを意識的に試すつもりだ。
阿久津良和(Cactus)