3月25日にAppleがApple ParkのSteve Jobs Theaterでスペシャルイベントを開催するとBuzzFeedが報じてから、Appleの新しいサブスクリプション型サービスに関する様々な報道が相次いでいる。有料ニュースサービスからビデオストリーミング、売上分配を巡る交渉まで、米国でのこれまでの報道をまとめた。
スペシャルイベントに関しては、過去に何度もスペシャルイベントの計画を報じてきたJohn Paczkowski氏による記事であるため、噂や予想ではなく実際に進んでいる計画と見なされている。Paczkowski氏によると、発表されるのはニュースサービスで、噂されるiPad miniやAirPodsの新モデルといったハードウェア製品の発表はない。ニュースの新サービスについては、「News」アプリ内で有料サブスクリプションサービスを提供する計画を昨年10月にNew York Timesが報じている。ユーザーのプライバシーを保護し、広告モデルが生み出したフェイクニュースや偏向報道といった問題の解決策になり得るという。
Appleが新しいニュースサービスを発表するというのは、これまで度々噂になっていたため驚くようなニュースではなかったが、翌13日のWall Street Journalの記事で人々の関心が高まった。有料サブスクリプション売上全体の50%をAppleの取り分とし、残る50%を記事アクセスに応じて分配する条件でパブリッシャとの交渉を進めているという。Appleはノーコメントであり、交渉の駆け引きでパブリッシャ側からこうした報道が出てきている可能性もあるが、それを踏まえても、50%という大きな数字が出てきたことで議論が広がっている。
さらに13日に、4月または5月前半に新しいビデオサービスを開始する計画だとCNBCが報じた。映画やTV番組の購入/レンタル、サブスクリプション形式のビデオストリーミングサービスなどを「TV」アプリ (iOS、tvOS)で管理できるようにする。すでに米国などで提供している「TV」アプリの強化になるが、これまでとの違いはTVアプリからサブスクリプション契約を完了できること。その場合、売上の30%がAppleの取り分になるという。CBS、Showtime、Starz、Viacomなどが参入する見通しで、HBOとの交渉も進んでいる。Netflixは慎重な姿勢だという。
CNBCはビデオサービスの発表のタイミングに言及していなかったが、Bloombergが3月25日のイベントでの発表にビデオサービスも含まれると報じた。イベントには、ジェニファー・アニストンやリース・ウィザースプーン、ジェニファー・ガーナー、J・J・エイブラムスなど、ハリウッドから多数のゲストが参加するとレポートしている。