全製品がUSB-PDに対応、価格も引き下げられた

Omnicharge Incは、同社の万能モバイルバッテリー「Omnicharge」シリーズを一新しました(Omni 13+、Omni 20+、Omni 20+USB-C)。法人向けの「Omni Power Station +」は、IIJのフルMVNO SIMを内蔵することによって、電源を入れるだけでクラウド管理機能が使えるようになりました。新モデルは、3月29日から総代理店のシネックスジャパンを通じて発売されます。

発表会ではOmni Power Station +の説明がメインでしたが、ここではOmnicharge+を中心にレポートします。

  • 新製品となるOmni 20+。前モデルから値下げされ、さらにUSB-PD出力とQiに対応しました

  • Qi対応ということで、iPhoneも載せるだけでチャージされています

  • Omnichargeは細かなステータス表示が出るのも特色。左上の鍵アイコンはロックされているという印です

  • 発表された新製品のスペックと価格(税込)。USB-PD対応のノートPCなら、60WのUSB-PD出力が可能なOmni 20+USB-C(19,800円/税込)がよいと思います。また、AC100V出力に加えて、オプションのDCケーブルを使うことによるOmni 20+(23,800円/税込)も汎用性に富んでいます。価格と重量重視ならばOmni 13+(17,800円/税込)でしょう

  • 製品は展示されていませんでしたが、クラウドファンディングで資金調達したOMNI ULTIMATEも3月29日から一般受注を開始します。より広い出力に対応し、容量も40,300mAhとすばらしいのですが、ちょっと高いですね(46,800円/税込)

  • Omni 20+の大きさは127×122×27mm。左のスマホはGoogle Pixel 3XLで、Omni 20+は思ったほど大きくありません

Omnichargeは「万能モバイルバッテリー」といっているように、さまざまな製品で利用できます。今回の製品群の中で最も多機能なOmni 20+は、QC3.0対応のUSB Aコネクタだけでなく、USB-PD対応のUSB-C端子、1-24Vまで可変のDC出力端子、そしてAC出力もできるのが特徴です。

従来のシリーズでは、USB-PDに対応しているのはOmni 20 USB-Cだけでしたが、今回の新モデルはすべてUSB-PDに対応しています。20,000mAhクラスの2機種は非接触充電のQiもサポートし、使い勝手が向上しました。また、旧製品よりも価格が引き下げられています。

OmnichargeのCEO、Jason氏は、Omnichargeの特徴としておもに3点を挙げます。多くのデバイスに対応していること、太陽光など幅広い電源ソースに対応していること、保護機能によって本体と接続デバイスの安全性を確保していることです。

  • Omnicharge Inc. CEOのJason Wang氏。一般ユーザーだけでなく、電源の必要なプロフェッショナルや企業内も顧客として想定しており、Omnichargeの製品は70カ国以上に出荷されているそうです

  • 実際の顧客例として、企業、学校、研究室以外にコワーキングスペースを紹介。WeWorkにおいてトライアル展開もしています

管理ステーション「Omni Power Station +」

このOmnichargeを、多数まとめて管理できるのがOmni Power Station +です。製品はOmni 20+を5台または10台、そして充電器をセットにしており、今回、充電ステーションにIIJのフルMVNO SIMを内蔵した形で出荷されます。

企業や学校、官公庁のネットワークは厳しく管理されているので、従来の製品では設定が複雑でした。これに対して新製品は、NTTドコモの3G回線・LTE回線がつながる場所ならば、電源を挿すだけで使えるようになるのが魅力です。ステーションでは充電を行いますが、あらかじめ登録しているユーザーが貸出処理をしないとロックされていて使えません。

  • 複数のOMNI 20+をまとめて充電管理できる、Omni Power Station + 5X/10Xも発表しました

  • Omni Power Station +の価格とプラットフォーム使用料(表記は税別)。企業、店舗、官公庁での利用を想定しています

  • デモされたOmni Power Staion + 10X。このようにまとめて充電管理できます。右側のKIOSK端末を使って、利用者は貸出処理をします

  • デモを行うJason氏。右手に持っているのはバーコードが付いた紙で、これで貸し出し処理をします

  • 処理が進むと、バッテリーのアイコンが点滅するので(写真では左から4番目)、その端末を抜いて使います

  • 災害を想定した機能も実装中とのこと。緊急コードを送ることによって、貸出処理なしですべてのOmni 20+を使えるようにするそうです。写真では、すべてのOmni 20+で表示が変わり、ロック解除されているのがわかります。右下のパソコン画面は管理者用のコンソールです

  • 株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)のMVNO事業部長、矢吹重雄氏

  • Omni Power Staion +は、IIJのフルMVNO SIM(今回はeSIMではなく物理SIM)を内蔵することで、顧客が電源を入れたときから使えます。それまでは使用量を払わない形態です