2019年の年頭にあたり、ベリタステクノロジーズの代表執行役員社長を務める大江克哉氏は、以下の年頭所感(抜粋)を発表した。

新しいテクノロジーに対応し「360度データ管理」を更にレベルアップ

明けましておめでとうございます。日ごろからの当社に対するご支援に厚く御礼申し上げます。新年にあたり、皆様にご挨拶を申し上げます。

企業のITシステムにおいてマルチクラウドが標準環境となりつつあり、非構造化データの増大といった環境変化の中、ベリタスは、データ管理に関する課題を全方位から解決する「360度データ管理」のアプローチにより、ユーザーが情報の”チカラ” を活用できるように支援することをミッションとして掲げ、製品・ソリューションの機能向上に努めてきました。
2019年の注目技術として、ベリタスは、AI/機械学習を活用した予測テクノロジーおよびブロックチェーンの2つを挙げています。AI/機械学習に関しては、昨年、これを活用した機能・サービスを主力製品から順次提供を開始していますが、今後も「360度データ管理」をさらにレベルアップするために、さまざまな新しい技術に柔軟かつ迅速に対応してまいります。

2018年ハイライトと今後の展開

  • AI/機械学習を活用した機能・サービス
  • ビックデータ基盤をはじめ、新しいワークロードの保護
  • クラウドネイティブアプリケーションへの対応

2018年は、ベリタスのフラッグシップ製品であり、データ保護市場において長年にわたり高いシェアを誇ってきた「Veritas NetBackup」の機能追加、拡充を行った最新版v.8.1.2をリリースしました。 v.8.1.2では、権限移譲管理機能の強化やユーザーインターフェースをよりシンプルで直感的なものに進化させるなど、データ保護・活用におけるユーザー体験を組織全体で得られるように進化させました。
特に、NetBackupのアプライアンスでは、AI/機械学習を取り入れ、お客様の環境から匿名で暗号化されたイベントデータを収集・解析して、システムの健全性を監視し、問題が発生する前に予防的修復策を提案する「Veritas Predictive Insights」サービスを提供開始しました。

お客様環境でのAI活用への対処に対しては、ハイパーコンバージドインフラ(HCI)やOSS DB、ビッグデータ基盤など、新しい業務ワークロードを複数並行して、高速で保護できるパラレルストリーミング技術を導入、ペタバイトクラスのデータが日次レベルで発生し得るこれからの環境にも十分な対応を進めました。

クラウドネイティブなアプリケーションへの対応という点では、複数のクラウド環境およびオンプレミスストレージのスナップショットを、単一の管理サーバー(コンテナ)でカタログ化し、単一のユーザーインターフェースから統合管理することができる新しいデータ保護製品「Veritas CloudPoint」の提供を開始しました。この製品は、NetBackupと簡単に統合できるため、クラウド上のデータを含む企業全体のデータ保護もNetBackupから管理できるようになりました。

2019年、ベリタスは、データ保護だけでなく、データ可視化や事業継続(BCP)支援、SDSなど、より広範にデータ管理ソリューションを進化させるべく「360度データ管理」の更なるレベルアップを目指します。そこで注目している技術は、ブロックチェーンと予測テクノロジーです。

ブロックチェーン技術適用の拡大

ビジネスモデルを大きく変える可能性のある画期的なテクノロジーとして注目されるブロックチェーンは、様々な分野で普及が進むと考えています。ブロックチェーンは、あらゆる場所に保存されているすべてのデータを利用できますが、データ利活用の高度化に向けて、クラウド時代の新しいデータ管理技術として、バックアップ/リカバリ市場でも、有望なテクノロジーといえるでしょう。
今後のデータ管理において、ベリタスは、ユーザー、企業、第三者という 3 つのグループを念頭に置く必要があると考えています。ユーザー個人は、いつでもデータを削除したり、アクセスできる必要があり、企業は、データから得られる洞察を使って新しいビジネス機会を模索したいと考えています。そして、どちらも第三者によるあらゆる脅威から保護されなければなりません。 ブロックチェーンは、人、合法性、ビジネス、文化などの要素において合意がなされるという前提で考えれば、これらすべてに対応できるソリューションとなる可能性があります。
ベリタスは、データ管理の観点で、ブロックチェーン技術とその適用環境の変化に注目してまいります。

AI活用による予測型機能の拡張

AIの活用により、実用的な予測可能範囲は広がっています。AI は 、2019 年以降もベリタスがすでに採用している範囲を超えて、データ保護に関して一層重要な役割を果たして行くと考えられます。ハイパーコンバージドインフラやその他最新のワークロードなど、企業がより複雑な IT 環境を採用し続ける中で、データ管理への要件や運用実態も複雑化が進んで行くでしょう。AIの活用を進め、IT 環境の中のデータの流れがダイナミックに変化しても、それを追跡し、システムから継続的に学習して行けるようにできれば、データの保護もより確実なものとすることができます。
ベリタスは、すでにAI/機械学習の導入を始めています。そのほかの新しい技術に対しても、その進化と実用性に注目しつつ適用を進め、データ管理全般をリードするソリューションプロバイダーとしての歩みを進めて参ります。2019年のベリタスにも、是非ご注目ください。

2019年も引き続き、変わらぬご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願いいたします。