プロジェクト単位で入居を決めた北海道ガスに対して、IoTサービスを手がけるウフルは一部の部門が「WeWork アークヒルズサウス」へ入居している。

ウフル X United Branding & Communication Center 髙木美幸氏

「2年で社員数が2.5倍に増え、オフィスが手狭になったので引越をしたのですが、またそこも手狭になり、増床するのか、それともまた新しいオフィスを借りるのか検討していました。そこへ“WeWork”の紹介を受け検討が始まりました」

IoTサービスを手掛ける同社はフィナンシャルタイムズ社が発表した「アジアの急成長企業1000社」にランクインするなど、その成長は目覚ましい。売上を伸ばし企業規模を拡大する同社にとって悩みの種だったのが「オフィス」だった。当時、同社の総務部門を担当していた髙木氏は「WeWork」への入居理由をこう話す。

「従業員数の拡大に伴いオフィスを移転しましたが、弊社では現在積極的に採用活動を行っているため、別のオフィスを借り一から什器を揃えたとしても、また別のオフィス移転する可能性もあり判断しかねていました。“WeWork”であれば初期費用が不要でコスト的にも問題ないと判断しました」

  • オープンスペースでの社内ミーティング

IoT事業は様々な領域の人材とのコラボレーションが求められることから、同社の代表も入居に対して前向きだった。

「弊社は今海外展開にも注力しています。直近ではロンドンに子会社を設立したこともあり、グローバルにオフィスを活用できる点も魅力でした。別オフィスも並行して検討していましたが、最終的には海外でオフィスを活用できる点が入居を後押した要因の一つとなりました」

コラボレーションにも期待

「WeWork」には、他社とのコラボレーションにも期待を寄せていた。

「“WeWork”へ入居するからには、社の中でも他企業との関わり合いが多い人が入居すべきと考え、適任者を各部門からアサインしてもらいました。オフィスは全面ガラス張りなので、機密性の高い情報を扱う部署の人たちの入居は避けるようにしています」

以前より交流のあったわたしのお教室の中屋氏が同じ「WeWork アークヒルズサウス」に入居していたこともあり、コラボレーションを生みそうな企業を繋いで貰うなど、そんな関係性も新たに生まれたと言う。

  • オープンスペースで(株)わたしのお教室 中屋氏と打ち合わせ

認知度の向上に期待

ウフル IoT×enebularビジネス開発本部 本部長 林大介氏

40名以上が入居する同社は「WeWork」の入居メンバーの中でも大所帯である。そんな同社の社員も「WeWork」という場を楽しんで働いているようだ。

「まだまだ認知度の低い会社ですので、“WeWork”へ入居することで、少しでも多くの人に認知してもらいたいと思っています。そのためにも、誰でも参加しやすそうなサッカーゲームのイベントを開催したところ、そのイベントをきっかけに当社のスタジアム系ソリューションに関心を持ったスポーツ系の企業と交流が生まれています。実ビジネスに繋がるかは分かりませんが、きっかけ作りは徐々に出来ています」

ウフル IoT×enebularビジネス開発本部 副本部長 竹之下航洋氏

「当社では、”協創”や”コラボレーション”を理念に掲げており、IoTという事業自体が、パートナー企業との協創なしでは生まれないことから、その方向性と“WeWork”のコンセプトがマッチしていると感じています。まだコラボレーションが生まれている訳ではないのですが、多種多様な企業が入居されているので、自社製品を紹介するようなイベントを開催すれば、通常とは違った層の方々へウフルの製品を認知してもらえ、新たなコラボレーションが生まれると期待しています」

様々な理由や目的で「WeWork」へ入居する企業たち。スタートアップ企業が集まる場所だと思われがちだが、意外にも業種・業態・企業規模関係なく入居が進み、各社がそれぞれに、そこで働くことの価値を感じている。