ジャストシステムは12月4日、都内で「一太郎2019」や最新「ATOK」を始めとする発表会を開催した。「一太郎とATOKは進化を続けてきたが、変わらずに大事にしてきたのが日本語文書への熱いこだわり。その思いを込めた平成の集大成」(ジャストシステム ライフレゾナンス事業部 事業部長 平居秀朗氏)と述べ、一連の新製品をアピールした。

  • 最新「ATOK」「一太郎2019」発表会

平成5年(1993年)の「一太郎 Ver.5」を皮切りに毎年バージョンアップを重ね、文字どおり平成の歴史と共に歩んできた一太郎シリーズ。2019年も新たな一太郎が登場する。

2019年2月8日に発売予定の一太郎2019は、日本語入力システムとして「ATOK for Windows 一太郎2019 Limited」を搭載しつつ、文章校正機能やレイアウト機能の強化、学年別漢字配当表への対応などを図った。2019年から始まる新元号へは確定次第、アップデートモジュールで対応するという。

  • ジャストシステム ライフレゾナンス事業部 事業部長 平居秀朗氏

    ジャストシステム ライフレゾナンス事業部 事業部長 平居秀朗氏

一太郎2019の強化ポイントについてジャストシステムは、「『たしかな日本語文章』がテーマ。間違いをなくすだけではなく品質を高め、読み手・書き手の確実性を高める日本語文書作成を支援したい」(ジャストシステム ソリューションストラテジー事業部 企画開発グループ エキスパート 佐々木孝治氏)と述べた。

  • ジャストシステム ソリューションストラテジー事業部 企画開発グループ エキスパート 佐々木孝治氏

    ジャストシステム ソリューションストラテジー事業部 企画開発グループ エキスパート 佐々木孝治氏

また、一太郎2019は文章校正支援ツール「Just Right! 6」の校正エンジンを活用し、文章校正機能を強化している。一太郎2018の文章校正機能は、横文字への過剰な指摘が顕著だったが、新バージョンでは指摘精度を向上させ、過剰な指摘を抑止した。また、新学習指導要領で示された学年別漢字配当に対応することで、「学習レベルに合わせた文章作成が可能」(佐々木氏)。一太郎2018になかった機能としては、表記ゆれへの対応がある。

Just Right!シリーズの表記ゆれ検出はシンプルなものだったが、文章中で略称記述がありながらも、後の文章で略称を使っていないケースや、正式名称を再び使用するケース、略称の再定義などをチェックし、より正確な文章作成を可能としている。ここでいう略語記述とは、例えば「ATOK for Windows(以下、ATOK)」といったものだ。

  • 最新「ATOK」「一太郎2019」発表会

    右ペインで校正指摘に対する詳細を確認できる

  • 最新「ATOK」「一太郎2019」発表会

    指摘精度の向上や学年別の使用漢字もチェックできる

表記ゆれは、一太郎内で複数のファイルを開いている場合、各シートに対する一括チェックも可能だ。レイアウト関連も日本語に対するこだわりを見せ、約6万字におよぶ人名・地名の網羅や、複数段落において本文の行位置をそろえる行取りへの対応、印刷を前提とした見開き表示に対応。個人情報の漏えいを防ぐため、文章やプロパティなどに個人情報が残っていないかチェックするドキュメント検索機能も備える。

  • 最新「ATOK」「一太郎2019」発表会

    表記ゆれチェックは一太郎2018になかった機能だ

  • 最新「ATOK」「一太郎2019」発表会

    略称チェックも興味深い機能の1つである

例年と同様に、一太郎2018には上位パッケージとなる「一太郎2018プレミアム」「一太郎2018スーパープレミアム」を用意。プレミアム版には、大日本印刷の「秀英体」から8書体や、約33万語句を収録する「日本語シソーラス 第2版 類語検索辞典 for ATOK」を含む。

また、新たな日本語男性話者の追加と1,600以上の語句を追加した音声エンジンを備える「詠太9」は、読み上げ精度が向上し、「インスタ映え」「終活」といった語句読み上げにも対応する。グラフィックソフト「花子2019」には、表紙カバーおよび帯作成機能と、Adobe PhotoShopなどで用いるPSD形式出力機能を新たに搭載。

一太郎2018スーパープレミアムは、「ブリタニカ国際年鑑 特別編集版」が含まれ、1768年の初版で用いられた銅板画集40点を収録。さらに、1993年版から2018年版までの各年鑑から厳選した記事も収録している。現行の一太郎2018スーパープレミアムにも付与していた、「Britannica ImageQuest」の1年間利用券も継続提供するが、単独提供の予定はないという。

  • 最新「ATOK」「一太郎2019」発表会

    各パッケージの収録内容差

ATOKは?

ここからは「ATOK for Windows」について語ろう。昨年の発表時と同じく、ATOKはパッケージではなく、月額課金制のATOK Passportを通じて提供される。

  • ジャストシステム ソリューションストラテジー事業部 企画開発グループ セクションリーダー 下岡美由紀氏

    ジャストシステム ソリューションストラテジー事業部 企画開発グループ セクションリーダー 下岡美由紀氏

最新版のATOK開発についてジャストシステムは、「我々は文字入力ストレスの軽減を目指し、辞書拡張など施策を重ねてきた。だが、表記バリエーションが多い固有名詞は、変換文字の選択に時間がかかり、読みが不明確といった課題が残る」(ジャストシステム ソリューションストラテジー事業部 企画開発グループ セクションリーダー 下岡美由紀氏)と述べた。

例えば「晋二郎」(しんじろう)という文字列は、ATOKの初期状態だと93番目の変換候補に並び、選択に時間を要する。「晋」という単語で変換することも可能だが、「しん」の変換候補から探すのも一苦労。そこで新しいATOKは、「漢字絞り込み変換」を備えた。

「晋」が欲しいとき、「たかすぎしんさくのしん」と入力すれば「晋」を変換できる。また、読み方が分からない地名の入力支援機能も新たに備え、「まいかた」と読み違えた政治家がいた「枚方(ひらかた)」の読み方が分からなくとも、「まいかた」からの変換が可能。さらに読みからの指摘も行われる。

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    ATOKが新たに搭載する「漢字絞り込み変換」機能

  • 最新「ATOK」「一太郎2019」発表会

    推定候補と同じ操作で確定できる

これらの機能についでジャストシステムは、「変換辞書データを解析して対応させているため、漢字の部首などによる変換は現時点で未対応。ユーザーの利用傾向などを分析しながら対応を検討したい」とした。

  • 最新「ATOK」「一太郎2019」発表会

    読み方が分かりにくい地名を変換する「地名入力支援」

その他の変更点として、ATOKディープコアエンジンを「ATOK for Android [Professional]」に拡大。スマートフォンで一般的な、推測変換で入力手順を省略する環境を踏まえて、推測変換の予測に活用している。ジャストシステムの調査によれば、同機能による予測性能は約30%向上したという。

また、これまでも文字切り替えボタンのロングタップで呼び出せた各機能を、ツールバーとして搭載。ただし、ATOK for Android [Professional]は、ATOK Passportプレミアムでの限定提供なので、通常のATOK for Androidには提供されないとのこと。ATOK for Android [Professional]の新たな機能は2018年12月4日から、ATOK for Windowsは2019年2月1日から提供開始となる。

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    ATOK for Android [Professional]で強化した推測変換機能

  • 最新「ATOK」「一太郎2019」発表会

    ツールバーを新たに搭載したATOK for Android [Professional]

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    ATOK Passportベーシックおよびプレミアムの機能差

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    一太郎2019早期予約キャンペーンを実施

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    こちらは抽選で700名にプレゼント

  • 最新「ATOK」「一太郎2019」発表会

    一太郎2019発売記念として用意したハイエンドPC「J+Hyper Limited Edition」や「GPD Pocket 2 一太郎発売記念特別セット」

阿久津良和(Cactus