ハイセンス・ジャパンは11月13日、東芝映像ソリューションと共同開発した映像エンジン「レグザエンジン NEO」を搭載した4Kチューナー内蔵液晶テレビ「A6800」シリーズを2モデル発表しました。50V型「50A6800」の参考価格は100,000円前後(税別)、43V型「43A6800」の参考価格は90,000円前後(税別)で、どちらも12月の初旬に発売します。
レグザのエンジンを搭載
ハイセンスは2018年2月、東芝映像ソリューションの発行する株式のうち95%を手にし、傘下に収めています。買収した東芝映像ソリューションの技術がハイセンスのテレビにどう活用されるのか、注目を集めていました。
今回ハイセンスが発表した液晶テレビ「A6800」シリーズの特徴は主に2つ。「レグザエンジン NEO」を搭載していることと、12月1日からはじまる新4K衛星放送を受信できる4Kチューナーを内蔵していることです。
A6800シリーズでは、東芝映像ソリューションとハイセンスが共同で開発した映像エンジン「レグザエンジン NEO」を搭載。ハイセンス・ジャパンによると、「もともと、映像や音響にこだわる人に向けて作っていたのがレグザエンジン。レグザエンジン NEOでは、細かい画質調整機能といったスペックを省き、必要十分な機能だけを抽出している」といいます。
映像の特徴ですが、コントラストを全体的に引き上げ、色域はデジタルシネマ規格「DCI-P3」を90%以上カバーしつつ、あくまで現実的な色合いを表現しているところにあります。たとえば花や食べ物が映る映像でコントラストを過剰に際立たせると、花や食べ物がもっていた色味や質感がなくなってしまうことがあるのですが、A6800シリーズでは、映像を高コントラストで表現しつつ、現実感のある色味や質感を崩しません。発表会の会場で従来モデルとの映像比較をしたところ、肌の質感(ほほの赤みやヒゲの質感など)や太陽光がより自然に、美しく再現されていました。
音質にもこだわっています。立体音響技術「DOLBY AUDIO」をサポートし、対応作品を視聴すると、まるで画面から音が出ているような感覚を得られます。また、サウンドイコライザー「Hi-Sound Pro」を搭載し、低音や高音を好みで調整できます。映画やドラマなどで人の声を強調する「Clear Sound」モードも備えました。
チューナーは、BS 4K・110度CS 4Kチューナー×1、地上デジタルチューナー×3、BS・CS110度デジタルチューナー×3を内蔵。自宅のアンテナ環境を整えれば、2018年12月1日からはじまる新4K衛星放送を外付けチューナーなしで楽しめます。
11の映像サービスを視聴可能
A6800シリーズはWi-Fiにも対応。Netflix、YouTube、U-NEXT、dTV、ひかりTV 4K、4Kアクトビラ、TSUTAYA TV、スカパー! オンデマンド、クランクイン! ビデオ、DMM.com、アクトビラの11サービスがプリインストールされており、インターネットに接続するとこれらの映像サービスを楽しめます。来年(2019年)にはソフトウェアアップデートにより、DAZNも視聴可能となります。アプリの操作画面は、新たなインタフェース「VIDAA」を採用し、従来モデルよりも使いやすくなりました。
50V型「50A6800」の本体サイズ(スタンド含む)はW111.6×H69.8×D24.4cm、重さ(スタンド含む)は16.6kg。43V型「43A6800」の本体サイズ(スタンド含む)はW96.1×H60.6×D21.4cm、重さ(スタンド含む)は11.7kg。ともにバックライトは直下型。応答速度は8msで、ゲーミングでの使用も可能だといいます。
ちなみに発表会では、東芝映像ソリューションのレグザブランドとの住み分けに関する質問が続出。ハイセンス・ジャパンは、日本市場ではあくまで2社で別々にテレビ製品を展開していくと話し、レグザエンジン NEOを東芝映像ソリューションのテレビに搭載する予定もないとしています。
新4K衛星放送をちょっと待てば……
新4K衛星放送がはじまる2018年12月1日までに、4Kチューナー内蔵テレビが欲しい場合、選べるメーカーはシャープ、東芝、三菱電機の3つ。しかし12月上旬まで待てば、4Kチューナー内蔵テレビの選択肢にハイセンスも加わります。特に43V型の「43A6800」は税込みでも10万円を切る非常にお得なモデル。おそらく2018年12月の段階で、最も買いやすい4Kチューナー内蔵テレビになると思われます。