Appleは10月31日、約4年ぶりにMac miniをアップデートした。同日から予約が開始となり、11月7日より販売が開始される。
ボディのデザインは従来とほぼ変わらないが、カラーがシルバーからスペースグレイに変更されているほか、背面のインターフェースがUSB 3(Type-A)×2、Thunerbolt 3(USB Type-C互換)×4、HDMI 2.0×1、ギガビットEthernet×1、Wi-Fi(802.11ac/a/b/g/n)、Bluetooth 5.0、オーディオ出力になり、SDXCスロットは廃止された。また複数のコントローラを統合し、ストレージの暗号化やHVECの復号化などをサポートする「T2」セキュリティチップも内蔵した。
CPUは2014年モデルの第4世代Core iプロセッサ(Haswell Refresh)から、第8世代Core Iプロセッサ(Coffee Lake)となり、デュアルコアのみだった構成が、ベースモデルでクアッドコア、上位モデルやCTOでヘキサ(6)コアが選択できるようになり、GPUもCPU内蔵のIntel UHD Graphics 630になり、Appleは前世代と比べて最大5倍のシステムパフォーマンス向上と、60%のグラフィック高速化を実現したとしている。
CTOによるカスタマイズでは、CPUに3.2GHzのヘキサコアCore i7(Turbo Boost使用時4.6GHz)が選択できるほか、メモリが最大64GB(DDR4 2666MHz)、ストレージにはPCIe接続のフラッシュストレージで最大2TBまで選択できる。さらにギガビットEthernetの代わりに10ギガビットEthernetも選択可能だ。なお、CTOのオプションをすべて選択するとアプリ抜きで46万3,800円(税抜き、以下同)となる。
前モデルではメモリがオンボードに直付けでCTOでしか変更できなかったが、今回のモデルでは技術仕様でSO-DIMMとなっているため、ユーザー自身による増設の可能性が残されているようだ(メモリスロットは2つ)。ストレージはすべてSSDになり、Fusion Driveを含むHDDの搭載は不可能になっている。
価格はクアッドコアCore i3-3.6GHzモデルが89,800円、ヘキサコアCore i5-3.0GHzモデルが122,800円。1.4GHzのローエンドモデルは廃止された。
これまでMac miniはWindowsからの乗り換えユーザーなどをターゲットとしたローエンドの入門機という位置付けだが、今回のアップデートで処理能力が大幅に拡張し、Thunderbolt 3によるeGPUもサポートするなど、プロユーザーの需要にも応える能力を手に入れることになった。コンパクトなサイズと低価格を武器に、様々な分野での活躍が期待できる。